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ロシア領侵攻で高まる世界戦争への発展可能性 ウクライナ戦争はスラブ人同士の問題だ

東洋経済オンライン / 2024年8月27日 11時0分

しかし、ロシア侵攻ともなればロシアへの侵略戦争、そしてその背後にNATOがいたとなれば、ロシア対NATOの戦争という事態となり、ウクライナ戦争ではなくなる。誰もが懸念したのは当然であった。

しかしながら、アメリカですらウクライナの侵攻について十分説明されていなかった可能性も出てきている。この侵攻の目的について知らなかったというのである。

確かに侵攻の目的によっては、この戦争は世界大戦へ飛び火する。プーチンはこの侵攻はNATOが仕掛けたものだと主張したが、それは定かではない。では何の目的で計画されたのであろう。

ドイツのクルクス攻撃は、ソ連の突出部であるクルスクを攻撃し敗北させることで、戦争の大逆転を狙ったものだとされるが、今回の目的は何であったのか。独立記念日のための花火としては、あまりにも危険すぎる冒険である。

クルスク攻撃という危険な作戦

そこで考えられるのは、一種の陽動作戦だったということだ。ドンバス地域での不利な状況を打開するため、ロシア軍の手薄なクルスクを攻撃することで、東部のロシア軍をそちらに移動させるという考えである。しかし、ロシア軍の総合力からいって、移動させる必要もないことは明らかである。

とすると、停戦に向けて有利に進めるための交渉作戦か。クルスク地域はガス・パイプラインと原子力発電所という、ロシアにとっても世界にとっても重要な施設がある。この地域に威圧をかけることで、停戦合意を有利に進めることなのか。これはとても危険な作戦といえる。

すでにロシア占領下にあるザポロージャの原子力発電所に、ウクライナ軍は何度も攻撃している。しかし原子力施設の破壊は、世界を大混乱に陥れる可能性がある。

その意味で、原子力発電所は戦争の外になければならない施設といえる。ガス・パイプラインもそうだ。これによって不利益を被るのはウクライナ、そして西欧諸国であるからだ。

もちろん危険にある施設を使って、戦争の危険性を訴えるプロパガンダにはなる。ウクライナは何度かそれを試みてはいる。

NATOがこの作戦に対して危惧をもったのは、まさにこの問題であろう。原子力発電所などの攻撃は、世界に悲劇的な衝撃をもたらすからである。それはロシアとて同じであろう。考えたくはないが、もしそうなれば核戦争の可能性が近付くからだ。

おそらく、考えられることは、ウクライナ側の攻撃の出発都市スームィへの攻撃を避けるために先手を打った作戦であったということかもしれない。これならば、世界戦争に発展する可能性はないだろう。

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