年上の部下と人事面談「マイナス評価」伝えるコツ 感情を害さず良い関係を築くのも管理職の仕事
東洋経済オンライン / 2024年8月28日 8時0分
本連載の読者の中には、管理職の立場にある方もいるだろう。その管理職の仕事に絶対と言っていいほどついて回るのが、人事面談だ。伝えにくい人事評価を相手の感情を害さずにどう伝えるか、四苦八苦している読者も多いのではないだろうか。
【年上の部下との対話例】ポイントは、相手の経験などを尊重する、相手に考えさせたり結論を相手が導き出したようにする、「私たち」というように寄り添う
今回はいくつかのケース別に、そうした悩みの解決法を一緒に考えてみようかと思う。
・相手が年上の場合
・評価は変わらないが、上がりもせず、その上がらないことに対して相手が不満をもっているであろう場合
・自己評価とこちら(管理職側)の評価に乖離がある場合
「知識や経験」の位置づけ
まず相手(つまり被評価者)が年上の場合。
そもそも論としてなぜ年功序列という制度がビジネスの場面でも存在していた(一部のケースでは存在している)のかというと、前述の年長者の方が知識・経験供に優れているで「あろう」という前提があるからだ。
しかしながら、実際のビジネスの場では例えば同じ10年間を過ごしていても、その経験の「密度や濃さ」により、ただ経験してきたのか、経験を昇華させて体系的な知恵にまで落とし込めているのかは全く異なるし、もっと言うと環境の変化により年齢と知識や経験量が比例しない分野や、新しい産業なんかにおいては若年層の方が経験豊富なケースも多く存在する。
したがって、ことビジネスの場面においては「年齢の差=知識・経験の差」であるとは言えないことも多々ある(もっとも日常生活においてもそうだが、これはここでは割愛する)。
このギャップ、つまり本来無条件に敬う対象であり、知識・経験がよりあるハズの年長者が部下としている、という状況が困惑を生じさせる。
ではどうするか。
役割が異なる上司と部下
上司と部下というのはそもそも「役割が異なっている」という当たり前だけどあまり認識されていない事実を念頭に、相手の知識・経験に対するリスペクトを忘れずにそして尊重する、というのが1つの正解だろうと思う。
つまり、大きな方向性を見出したり意思決定をする役割の自分(上司)と、実行部隊の部下という関係に関する共通認識を日々醸成することによって、まずは経験の「時間的な長さ」のみによる競争関係や居心地の悪さを解消しておく。
つまり非生産的な感情や対立関係は日々解消しておく、ということだ。
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