若者が「仕事が面白くないから辞める」本当の理由 優秀な上司の「優秀さ」が時に部下を追い詰める
東洋経済オンライン / 2024年8月28日 8時30分
これをご覧いただくと、その内容が非常に似通っていることがわかります。
この内容から「仕事の面白さに関する心理」が見えてきます。
いずれも①は仕事の内容に関するものですが、②~⑤は上司の関わり方や仕事の任せ方に関するものです。
ここからわかるのが、同じ仕事の内容でも上司が②~⑤に対応するかどうかで、仕事が面白いと感じるかどうかは大きく変わるということです。
そこで今回はこの5つのうち「④仕事についていけない、仕事が進捗しない」「⑤仕事の裁量権がなく、やりたいようにやれない」について、部下をこの状況にさせてしまいがちな上司のタイプと対応法についてお話しします。
この対応にあたっては、行動科学者のポール・ハーシーと組織心理学者のケネス・ブランチャードが提唱したSL理論に基づく対応が効果的です。
SL理論とは、Situational Leadership理論の略で、部下の成熟度を4つに分け、それぞれの成熟度に応じた関わり方を示しています。その関わり方は次のとおりです。
・部下の成熟度が低い:教示的リーダーシップ→細かく指示し、手取り足取り指導する
・部下の成熟度が中程度:説得的リーダーシップ→こちらの考えを説明し、疑問に応える程度の関わりにする
・部下の成熟度が高い:参加的リーダーシップ→より良い方法や今後の方針を一緒に考えさせ、部分的にマネジメントに参加させる
・自立できている:委任的リーダーシップ→業務遂行の裁量を与え、極力口を挟まない
先の「4:仕事についていけない、仕事が進捗しない」に関しては、部下の成熟度が低い状態なのに、上司が教示的リーダーシップをとれていないことが原因となっていることがあります。
部下をこの状況にしてしまいがちな上司のタイプが「理解の早い上司」です。
理解の早い上司は、自分が指示を受ける立場であれば手取り足取り教えられなくてもわかるため、その感覚を部下にも当てはめ、「いちいち細かく教えなくてもわかるよね」と十分な指導をしないことがあります。
その結果、部下は必要な指導を受けられず、仕事についていけない、仕事が進まないという状況に陥り、「仕事が面白くない」と感じます。そしてその状況に耐えられなくなると離職します。
「名選手、名監督にあらず」という言葉がありますが、その原因はこういったところにあるわけです。
そのため、理解の早い上司ほど、自分の感覚と部下の感覚は違うことを自覚し、部下の状況に合わせた指導が必要であることを強く意識することが大切です。
こだわりの強さから部下のやり方に逐一口を挟む
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