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近鉄「けいはんな線の終点」学研奈良登美ヶ丘の先 直通先の大阪メトロ中央線は万博会場へ延伸

東洋経済オンライン / 2024年8月29日 7時30分

けいはんな線の集電方式はサードレール(第3軌条)方式で、近鉄のほかの路線のようにパンタグラフを用いないため、線路上に架線がない。生駒駅の前後では奈良線と並走するため両者の違いがよくわかる。車両は近鉄の7000系、7020系のほか、大阪メトロの30000A系、400系が活躍する。サードレールとしては国内最速の時速95kmで走行する区間がある。

近鉄7000系は1987年、大阪メトロ400系は2024年に鉄道友の会の「ローレル賞」に選ばれている。一方、御堂筋線の車両をベースに開発された30000A系は、2025年開催の大阪・関西万博の輸送力増強を目的としており、万博後は谷町線に転用する予定だ。

ところで、終点の学研奈良登美ヶ丘、漢字で8文字、ひらがなにすると「がっけんならとみがおか」と11文字にもなる。地元の利用者は日頃なんと呼んでいるのか。がっけん?それとも、がっけんなら?

「『とみがおか』ですね」。けいはんな線の駅を管理する生駒駅の柳谷裕一駅長に尋ねると、シンプルな答えが返ってきた。

学研奈良登美ヶ丘駅のホームは高架の1面2線でこちらもシンプルな構造。1階に北出口と南出口が向かい合っている。所在地は奈良市だが、南を除いた三方を生駒市に囲まれている。駅の近くで存在感を放つ「イオンモール奈良登美ヶ丘」も生駒市鹿畑町という所在地にある。線路の先では京都府との府県境が目の前に迫っている。

「イオンモールなどの商業施設があって大きな建物に囲まれていますが、のどかやな、と思います。街並みが整備されていて住みやすそうな、上品な住宅街のイメージです」(柳谷駅長)

けいはんな線の将来は?

線路が行き止まりになっている高架東側の壁面には、けいはんな線の開業記念として実施した公募コンクールで最優秀賞に選ばれた指頭画師・竹中宗指さんの作品『平成の古都奈良』がデザインされている。

その壁画がある駅東側はバスターミナルとなっていて、学園前や祝園方面のバスが発着する。とくに祝園方面へは7時台には10本のバスが出ている。周辺には戸建てやマンションが建ち並ぶ住宅地が広がるほか、奈良先端科学技術大学院大学や国立国会図書館関西館、企業の開発拠点など大規模な教育・研究施設が位置している。

大阪メトロは、万博会場へ直接乗り入れるアクセス鉄道として中央線のコスモスクエア―夢洲間3.2kmの延伸開業を2025年1月末に目指す。世界中から万博を訪れた人に対しても学研奈良登美ヶ丘の駅名が目に触れることになりそうだ。

一方、けいはんな線にも延伸構想がある。京都府精華町は「京阪奈新線新祝園ルート整備促進協議会」を2019年に設立。(仮称)学研中央駅を経て、近鉄京都線の新祝園駅までつなぐことで、京都市営地下鉄の国際会館駅から夢洲駅までを乗り換えなしでつなぐメリットを訴える(ただし直通運転には集電方式の違いを克服する必要がある)。ほかに高の原駅と結ぶ案もある。

学研奈良登美ヶ丘の長い駅名には将来への期待も込められているに違いない。

橋村 季真:東洋経済 記者

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