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ドンキが「ブルーノ・マーズ」CMを流す深い理由 「まじめにふざける」企業の地道な改善の結果だ

東洋経済オンライン / 2024年8月29日 8時20分

これはもちろん、ドンキにとっても嬉しいこと。というのも、ドンキが現在目指している方向に、またとなくマッチする人選だったからである。

ドンキを「日本で立ち寄るべき場所No.1」にする

これを紐解くために、ドンキを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の最新決算を紹介しよう。

大前提として、PPIH、業績がとても好調である。35期連続増収という、日本企業としては他に類を見ない成長ぶりなのだ。8月16日に発表された、2024年6月期の決算では、売上高が2兆0950億円と、初の2兆円を突破。小売業では4位となった。

そんな今期の成長を支えた要因の1つが、インバウンド需要である。

ブルーノのCMにも登場した渋谷のドンキに行ってみると、店内の多くに外国人観光客がいる。商品がぎっしり詰め込まれ、訳のわからないモノから日用品までさまざまに置いてある(中にはアダルトグッズも)ドンキに、日本らしさを感じ、一つの観光名物になっているのだ。

こうした現状に対して、ドンキ側も対応策を考えている。特に今回の決算資料では、インバウンドに対する方向性が明示されている。

PPIHはインバウンド対策として「ドンキでしか得られない買い物体験」を外国人観光客に体験させることを目指し、ドンキを「日本で立ち寄るべき場所No.1」にしていくと明言する。

PPIHはどんな「改善」をしている?

この目標を達成するため、「旅マエ戦略」「旅ナカ戦略」「旅アト戦略」を拡充するのが今後の方向だ。

「旅マエ戦略」では、マーケティング戦略を強化して、日本に来る前からドンキへの来店動機を高める。SNSを用いたプロモーションや、航空会社との連携などを拡充していく。

また、「旅ナカ戦略」では、ドンキ特有の「圧縮陳列とPOPの洪水、店舗ごとに違う演出やレイアウトなど、他小売店にはない珍しさに時間消費してしまう店内観光体験」の深化が強調されている。

そして「旅アト戦略」としては、観光客が帰国後に現地の家族や知人などにドンキをすすめることで、ドンキの認知度を高めることが目指されている。こうしたインバウンドの感想を拾い上げるため、日本国内向けにリリースされている「majicaアプリ」の訪日観光客向けバージョン「マジカグローバル」もリリースされる予定だという。マジカグローバルでは、訪日観光客からの口コミなどを集め、それを基に店舗を改善し、訪日観光客が何度でも訪れたくなる店を作っていく。

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