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「外遊び」が子どもの目にも心身にもよい理由 今すぐにでも取り組める近視抑制方法がある

東洋経済オンライン / 2024年8月30日 13時0分

外遊びは、タブレットやスマホではできない「生身の経験」です(写真:shimi/PIXTA)

『近視は病気です』の著者で眼科医の窪田良氏と、長年子どもの教育事業に携わっている「花まる学習会」代表の高濱正伸氏が「子どもの近視」をテーマに4回シリーズで対談する本企画。

子どもの近視抑制に効果的と実証された「外遊び」だが、共働きの忙しい親にとってはその時間を確保するのも一苦労に思える。第3回は、親子で無理なく外遊びを日常に取り入れる具体的な方法について語り合う。

子どもの脳は「何かしら動くこと」で発達する

窪田:昨今の夏は猛暑が続いています。外遊びが目によいとはいえ、子どもを外に連れ出すこと自体が難しいと感じる親御さんも多いかもしれません。

近視の抑制という観点からすると、木陰などで過ごすだけでも十分に効果はあります。幼児教育に長く関わっていらっしゃる高濱先生は、子どもたちの日常にどのような形で外遊びを取り入れていらっしゃいますか?

高濱:私たちの事業は学習塾の運営がメインですが、吉祥寺でフリースクールも運営しています。前回(子どもを「外で遊ばせるだけ」で近視は防げる)台湾の小学校での外遊びの取り組みの話がありましたが、2022年にこのフリースクールを開校して以降、学校で過ごす時間の中で子どもの「動」と「静」の時間を分け、外で過ごす時間をマストとして意識的に設けています。

窪田:低学年の子たちの中には、じっとすることが苦手な子もまだまだいますよね。私は小学生の途中から父の仕事の関係でアメリカに転校しましたが、教室の中でも比較的自由に動き回れるようになっていて、とても驚いたものです。最先端の教育方法を導入している学校だと、小2くらいまで教室内に椅子もなかったりするそうです。

高濱:確かに小学1年生、2年生はまだ動き回りたい年齢です。

窪田:その年齢でずっと座り続けているのも脳の発達にあまりよくないのではと感じてしまいます。全身を動かすことで脳のさまざまなところが刺激され、将来クリエイティブで豊かな発想ができるような気がします。

「公園」まで行かなくても、街をぶらぶらするだけでOK

高濱:そうですね。私たちのフリースクールでは必ず公園に行く時間を設けているのですが、たとえ近所であっても、外に出すことで、子どもたちは勝手に自分の世界を広げて帰ってきます。その成長ぶりには、私たち大人も日々驚かされます。

窪田:それは興味深いですね。

高濱:公園の行き帰りに商店街を通るのですが、気がついたら子どもたちが自然と商店街の人たちと仲良くなっている。うちのフリースクールに来る前は不登校だったりする子たちが、ですよ。大人が特に何も働きかけなくとも、日々の挨拶を交わすところから始まり、自力で人間関係を徐々に構築していきます。やがて「フリーマーケットを開催させてください」などと子どもたちのほうから交渉を始めて、最終的に承諾を得てきたりします。

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