日本未発売、ホンダ「シティ・ハッチバック」の実力 1980年代に一斉風靡したホットハッチ再来か?
東洋経済オンライン / 2024年8月30日 9時0分
まず外観だが、RSグレードではヘッドライトやフォグランプがLED化され、フロントグリルもブラックアウトされている。さらにフロントバンパーやリアバンパー、サイドアンダースポイラー、リアスポイラー、フロントグリルなどもRS専用品を装備。ホイールも標準車は15インチだが、RSはブラックカラーの16インチを採用。基本的な走行性能は標準モデルと同様だが、各部をブラックアウトしてスポーティな外装に仕上げられている。
走る楽しさが詰まった俊敏なフットワーク
さっそく乗り込むと、ブラックレザー×スムースレザーにレッドステッチをあしらったシートに加え、ピアノブラックのインテリアパネルなど、スポーティかつ質感の高いインテリアに驚かされた。リアシートも広く、大人2人が十分にくつろげる空間が広がっている。
ラゲージスペースも十分な広さを確保。6:4分割の後席を倒せば、フルフラットになり、小柄な人なら車中泊も楽しめそうな空間だった。スポーツハッチバックというより、より多目的なステーションワゴン的な使い方を想定しているように感じた。
実際に運転してみると、VTECターボといっても排気量は1.0Lで、最高出力も122PSなので劇的な速さはない。ただ、低回転からタービンが仕事をはじめ、ピックアップがいいので軽快さが際立ち、ボーイズレーサー的な楽しさは存分に感じられた。
ちなみに日本仕様のフィット(ガソリンエンジン車)の最高出力は106PS、シビック(ガソリンエンジン車)は182PS。車重はフィットRSが(FF)1100kg、シティ・ハッチバックRSが1187kg、シビック(ガソリンエンジン車)が1330~1370kgとなる。ボディサイズのわりには、車重がフィットと同等程度に抑えられているので非常に軽やかなドライビングフィールだった。
また、足まわりも引き締められてスポーティな仕上がり。日本とタイのユーザー嗜好の違い、また道路環境に関わる部分も大きいだろうが、荒れた道路では多少跳ねることもあるし、はじめて運転するとサスペンションはかなり硬く感じるかもしれない。とはいえ、乗り心地が悪いわけでもなく、バンコク周辺の一般道や自動車専用道路を走ってみた感想としては、キビキビとした走りが好印象だった。
タイは荒れた道路も多く、急な車線変更や割り込みも日常茶飯事なので、これくらい引き締められたサスペンションセッティングのほうが安心感につながるのだろう。タイの道路を走ると、クルマの鼻先さえ突っ込めれば車線変更ができる、多少強引ではあるが譲り合いの精神的な交通事情があり、普通の街中ですら、それなりに攻めたドライビングが強いられる。それを考えれば、フラットライドな乗り心地より、キビキビとしたフットワークのほうが求められるのかもしれない。
シティ・ハッチバックの現地価格
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