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「100万部売れた絵本」の読者が夢中になる仕掛け 『ぜったいにおしちゃダメ?』大ヒットの理由

東洋経済オンライン / 2024年8月30日 16時0分

『ぜったいに おしちゃダメ?』はとてもインタラクティブな絵本です。ラリーは読者に直接語りかけてきます。この本を読み聞かせる場合は、読者と直接コミュニケーションすることになります。

そして、絵本に描かれたボタンを押すことを誘惑してきます。絵本に描かれたボタンを押す─つまり絵本を触ることを誘惑してくるのです。さらに絵本を振ったり、絵本をこすったりさせて、絵本に直接アクションすることを求めてきます。つまり、「参加」することを求めてくるのです。

ビル・コッターはアメリカの絵本作家です。幼少期から絵を描くことに没頭し、週末はアートスクールで絵や音楽のレッスンを受けていました。やがて美術大学に進学し、絵画を専攻します。卒業後はニューヨークで子どもたちにアートを教える学校の講師になりました。そこで子どもたちに絵本の読み聞かせをしていると、コッターはあることに気がつきます。

インタラクティブな要素のある絵本だと、子どもたちの聞く集中力が違うのです。その発見が絵本『ぜったいに おしちゃダメ?』の執筆に繫がりました。たまたま住居の隣人が出版エージェントだったという幸運もあり、コッターの絵本は世へ出ることになります。現在は故郷のオハイオ州に戻って絵本制作を続けています。

『ぜったいに おしちゃダメ?』はインタラクティブであること、読者が参加できることで魅力的な絵本になっています。

事例 自分で組み立てることで愛着がわく家具

参加できることが魅力に繫がっている商品が、家具にもあります。家具ブランドの「IKEA」が提供する商品です。

IKEAは高品質なものを価格を抑えて売ることで有名な家具ブランドです。世界中に店舗があり、世界最大の家具チェーン店とも言われています。

IKEAは1943年、イングヴァル・カンプラードによってスウェーデンで創業されました。カンプラードはそのとき、わずか17歳でした。社名は自身の名前と、自身が育った農場、村の名前のイニシャルを組み合わせたものです。当初は雑貨店としてスタートしました。文房具や日用品を取り扱っていました。家具を取り扱うようになったのは1948年です。

彼が考えていたことは、「人々に役立つものを、安く、確実に届けたい」ということです。IKEAは徹底的に効率化し、同業他社よりも価格を抑えた家具を顧客に提供しました。

あるとき、カンプラードは自社の社員がテーブルを車で輸送する際に、テーブルの脚を取り外していることを知りました。それは車に入るサイズにするためと、輸送中のダメージを防ぐためにしたことでした。そこから着想を得たカンプラードは、「フラットパック」形式で家具を売ることを思いつきます。

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