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「100万部売れた絵本」の読者が夢中になる仕掛け 『ぜったいにおしちゃダメ?』大ヒットの理由

東洋経済オンライン / 2024年8月30日 16時0分

これは家具をパーツごとにバラバラにし、「フラット」な状態にして梱包したものを売る形式のことです。客は家に持ち帰ったあと、説明書を見ながら自分の手で家具を組み立てます。

これにはさまざまなメリットがあります。まず持ち運びが簡易になり、輸送費が抑えられること。フラットな状態で倉庫におけるので、効率的に保管できること。客が自分の車で持ち帰れるので、配送料がかからないこと。そして、それらのメリットによって、製品の価格を抑えることができたのです。

そのうえ、予想外な効果もありました。それは客が自分で組み立てることによって、家具に愛着がわくということです。

2011年のハーバード・ビジネス・スクールの調査によれば、人は自分の手で家具を組み立てると、既製品の家具よりも高い価値を見出すことがわかりました。調査した研究者らは、この傾向を「IKEA効果」と名づけました。

これは私たちの日々の実感にも沿っているのではないでしょうか。たとえば、スーパーで買って食べるいちごも美味しいですが、自らいちご狩りに行って食べるいちごには、ひと味違う感慨を覚えるものです。

私たちは「参加」することに特別な価値を感じるのです。

まとめ
➔提供されるものがインタラクティブだと人は前のめりに参加する
➔『ぜったいに おしちゃダメ?』はインタラクティブな要素が読者の心を摑んだ
➔IKEAの家具は客が組み立てることによって愛着がわく

考えてみよう
 あなたがよく行く店に参加要素を増やすとしたら?
 ボールペンをノックしたときになにが起こると嬉しい?
 新しいリモコンを作るとしたら、なんのリモコンでどんな機能をつける?

菊池 良:フリーライター

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