「私なんて」と自己評価が低すぎる人に言いたい事 自分をほめられるようになるためのヒント
東洋経済オンライン / 2024年8月30日 15時0分
どんなにがんばっていても自分を過小評価してしまう「インポスター症候群」の人が少なくありません。医師の田中遥さんは、インポスター症候群を「謙遜さん」と呼び、そうした人が少しでも変わる方法を紹介しています。
田中遥・加藤紘織『「どうせ私なんて……」がなくなる「謙遜さん」の本』から一部抜粋・再構成してお届けします。
落ち込むことは“悪”ではない
こう思っている人もいるのではないでしょうか。
「自分をほめるのが大切と言われても、どうしても『やっぱり、私なんて』と落ち込んでしまうんだよなあ」
たしかに、どんよりした心で過ごすのはつらいですね。でもここで大切なことをお伝えしたいと思います。
心理学の見地からいえば、気分の落ち込み自体は決して悪くはないのです。
もちろん、そんな感情はできれば味わいたくないもの。しかし、それがきっかけとなって「次はがんばろう」と奮起したり、「やり方をちょっと変えてみよう」と改善を試みたりする。
つまり、次の行動につながっていくのであれば、むしろ落ち込みは歓迎してもいい。私は、そう考えています。
言い換えれば、どんなに気落ちしていても行動し続けられるのなら、さほど問題はないのです。
では、問題なのはどんなときでしょうか。それは、気分が落ちた結果、その人が動けなくなる場合。
というのも、自分を責めたり過小評価したりすると、自信や行動意欲が奪われ、次の一歩が踏み出せなくなるケースがあるのです。すると、停滞した状況から抜け出すのが困難になります。
行動が大事な理由
なぜ行動が大事なのかといえば、行動だけが、その人の世界や環境を変えるからです。自分の生きる世界を変えるのは、みずからの行動だけ。どんなに変わりたいと思っていても、本人の行動が同じであれば、そこから生まれる結果も同じです。
言葉がもつ力によってその人の行動が変わり、新しい世界が形づくられます。行動の結果が失敗に終わったとしても、構いません。そこから改善していけばいつか成功にたどり着けます。
カウンセリングの現場でも、「○○があって、落ち込みました」「ネガティブな気分が抜けなくて」といった患者さんの言葉を、私たち医師やカウンセラーはあまり重要視していません。
もちろん、ネガティブな感情に対するフォローはします。しかし、私たちが常に気にしているのは、状況の改善に向けて、その方が適切に行動できているかどうかです。
ですから、患者さんが落ち込みながらも、現状を変えようと一歩でも進もうとしていれば、健全なプロセスを進んでいると判断します。
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