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ズケズケ言ってくる友達が抱える「心の傷」の正体 「嘘がつけないから」は言い訳に過ぎない

東洋経済オンライン / 2024年8月31日 18時0分

人は自分の意地の悪さの言い訳として、「ウソ偽りのなさ」を使います(写真:buritora/PIXTA)

「友達の前で自分らしく正直にいる」ことが、本当の友達の条件のように言われることがあります。しかし、何事もずけずけと正直に言ってくる友人は、本当の友人なのでしょうか?

『FRIENDSHIP 友情のためにすることは体にも心にもいい』の著者マリサ・フランコさんは、「自分の意地の悪さを言い訳するときに、『自分はウソ偽りがないから』と言う人がいる」と言います。

そもそも、友達を傷つけるような人は「本当にその人にとって正直な状態」なのでしょうか。本文から、抜粋してご紹介します。

「正直」が意地の悪さの言い訳になっていないか

心理学者のスーザン・ハーターは「ウソ偽りのなさ」を、「考え、感情、ニーズ、欲求、好み、信念、個人的経験を自分のものだと認めること」そして「本当の自分と合致した行動を取り、内なる考えや感情と一致した方法で自分を表現すること」だと定義しています。

しかし「本当の自分」とは何でしょうか? 「本当の自分」が何であるかを定義せずに、ウソ偽りのなさの中心を「本当の自分」だとしてしまうのは危険です。

それだと、「本当の自分」を反映しているからといって、破壊的な行為を簡単に正当化できてしまいます。たとえば「率直な感想」だからと「その髪型、ヘンだよ」と言ってくるような友達や、あなたがプレゼンテーションを終えたあと、頼んでもいないのに「人前で話す練習した方がいいね」とアドバイスしてくるような友達の行為。

人は自分の意地の悪さの言い訳として、「ウソ偽りのなさ」を使います。それでは、ウソ偽りのなさをどう定義すればいいのでしょうか? 過去の研究を調べてみると、パターンが見えてきました。

たとえば、ウソ偽りのない自分に一番なれるのは、オープンで心を開いた人のそばにいるときで、自分を偽っているように感じるのは、人から非難されているときだという研究結果が出ています。

また、気分がいいとき―喜び、落ち着き、愛情を感じているときに、自分にはウソ偽りがないと感じ、その一方で不快なとき―不安、ストレス、落ち込みを感じているときに、自分を偽っているように感じます。

自分の心理的なニーズがすべて満たされたとき、そして自分が有能だと感じられるときや、帰属意識を感じられるとき、自己肯定感が高まっているときに、ウソ偽りのなさをもっとも強く感じます。

これらの研究では、ウソ偽りのなさとは何か、あるいは何でないかが明らかです。つまり、ウソ偽りのなさとは、傷ついたと感じたときについしてしまう反射的な行動ではないということです。また、人のことなど気にせずに、自分の考えや感情を思うままに向こう見ずに表現することでもありません。

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