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ズケズケ言ってくる友達が抱える「心の傷」の正体 「嘘がつけないから」は言い訳に過ぎない

東洋経済オンライン / 2024年8月31日 18時0分

そしてこの防御をやめたとき、自分が人とのつながりに価値をおく、愛すべき存在であるのだと気づきます。ということは、前述した、ウソ偽りのない自分―つまり「本来の自己」の定義は、私たちの日常的な姿ではないということです。

原始的な防御が発動していない、ウソ偽りがないときの私たちは、恐れを抱いた自分ではなく、もっとも高次の自分にアクセスできます。

「本来の自己」になるには

研究者のニナ・ストローミンジャー、ジョシュア・ノーブ、ジョージ・ニューマンは、「本来の自己―自我とは異なる心理学的概念」という研究を行い、人は「本来の自己」をどう受けとめているかを知るべく、過去に行われた調査を評価しました。そこで、人は自分や他人の「本来の自己」を道徳的でいいものだと考えることがわかりました。

たとえば、ある人の性格にポジティブな面が見えるようになったら、その人の本来の気質が表に出てきたのだと受けとめます。この研究の著者らによると、「人は、他人を悪人だと思いたがるものの、根っからの悪人だとは思いたがらない」ものなのです。

本来の自己に関するこうした好意的な感覚は、アメリカ、ロシア、日本、シンガポール、コロンビアなど、さまざまな文化に存在します。本来の自己と高次の自己の融合は、映画でもよく描かれています。

映画『クリスマス・キャロル』のエンディングでは、お金持ちのスクルージがケチな考えを改め、ティムの治療費をティムの父親に払うことに同意します。このシーンを見て私たちは、慈悲深いこの男性こそが、実は本来のスクルージの姿だったのだ、と心が温まります。

こうした悪役は、自分の傷を直視さえすれば、彼らの奥にある善良さを解き放つことができるのだ、と私たちに感じさせます。もしかしたら、私たちが思う以上に、物語の悪役と私たちは似ているのかもしれません。もしかしたら私たちも、愛されて受け入れられたと感じられれば、まるで落ち葉のように仮面が落ち、「本来の自己」になれるのではないでしょうか。

マリサ・G・フランコ:心理学者、フレンドシップ専門家

松丸 さとみ:翻訳者・ライター

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