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ズケズケ言ってくる友達が抱える「心の傷」の正体 「嘘がつけないから」は言い訳に過ぎない

東洋経済オンライン / 2024年8月31日 18時0分

責めたり、こき下ろしたり、攻撃したりといった行動は、ウソ偽りがないというより、感情がむき出しのままの行動であるといった方がいいでしょう。

そうではなく、本当のウソ偽りのなさとは、安心できる環境で花開くものだといえます。防御メカニズムに乗っ取られていないときに到達できる、落ち着いた状態なのです。

「落ち着いた」状態とはつまり、注意散漫になっていたり、マルチタスクをしていたり、たとえば「元気?」と聞かれて自動的に「元気だよ」と答えるなど、何も考えずに発言したりするときは、ウソ偽りない状態ではないということです。

防御メカニズムに乗っ取られていない状態ということは、安心感に触れ、ウソ偽りがない状態になるということです。たとえ脅威や批判、拒絶、無視などに直面しても、自分を防御する必要性を感じないときです。

不安や恐れを抱かず、世の中にどのような姿を見せるかを、反射によってではなく意図的に決断できる状態の自分です。

「本当の自分」とは、感情をむき出しにした状態ではない

この定義をもっと肉付けしてみましょう。私たちは、人間関係や自尊心を守るために、本当の感情から距離を取ってしまうことがよくあります。

愛着理論の父ジョン・ボウルビィはこれをこう表現します。「母親に伝えられないことは、自分自身にも伝えられない」私たちは、自分を見捨てた友達を恋しがる気持ちを認める代わりに、去って行ったことなど気にしない、と言います。

自分の方が成熟して友達とは合わなくなったと認める代わりに、何も問題ないと自分に言い聞かせます。

自然の感情を捻じ曲げ、それを正当化したり、考えないようにしたりします。しかしながらウソ偽りのなさとは、友達に見捨てられて拒絶されたと感じるのを自分に許すこと、友達にからかわれて傷ついたと感じるのを自分に許すこと、幼なじみとはもう会わないのだと認めるのを自分に許すことです。

つまり、自分の心に正直でいる状態。自分を守ろうとして構築してきた防御メカニズムの下にある、本来の自己の姿です(※心理学者の中には、ウソ偽りのなさについての私の定義に異論を唱え、ウソ偽りのなさなど本当は存在しないと主張する人もいます。詳細は、ロイ・F・バウマイスターの論文「Stalking the True Self Through the Jungles of Authenticity: Problems,Contradictions, Inconsistencies, Disturbing Findings—and a Possible Way Forward 」(「ウソ偽りのなさというジャングルで本来の自己に忍び寄る」))。

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