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言われなき誹謗中傷を受けたときの心の対処法 痛みを和らげるには痛みを受け入れる必要がある

東洋経済オンライン / 2024年8月31日 17時0分

たとえば、親しい人が亡くなったとき、誰でも悲しく感じるものです。このとき、無理に悲しみを押し殺して気丈に振る舞ったり、何らかの理由で悲しみを感じられなかったりすると、結局、悲しみがいつまでも尾を引きます。

考えないようにすればするほど考えてしまう

むしろ、悲しいときには素直に悲しんだほうが、長い目で見れば心身に健康的です。

このことを示す簡単な心理実験をしてみましょう。

①まず、頭の中に、ピンク色の巨大な象を思い浮かべてください。思い浮かべられた方は、次の指示に従ってください

②次に、今からそのピンク色の象を絶対に考えないようにしてください。絶対にです

ピンク色の象を考えないようにすることは、できたでしょうか。

じつは、考えないようにすればするほど、ピンク色の象を考えてしまうものです。一度、心に浮かんだことを、なかったことにしようとすればするほど、頭から離れなくなるのです。

つらい感情も同様です。感情を抑圧したときは、自分は感情をコントロールしていると思いますが、じつは、みなさんが感情に乗っ取られているのです。

繰り返しますが、痛みに抵抗すれば、痛みが増幅し、苦しみとなります。

私たちはどうして、これほどまでに、痛みに抵抗してしまうのでしょうか。答えはシンプルです。

その痛みを感じたくないからです。

多くのリーダーがこう考えます。痛みを感じて、職場で自分がネガティブな態度をとってしまったら、リーダーとして恰好がつきません。自分のメンバーの前では、惨めな感情は隠し通さなければいけません。リーダーとして、人前で泣くわけにはいきません。

リーダーは、前向きに、ポジティブにしていなければいけない。痛みを感じることはリーダーにとって不都合だと思ってしまうのです。だから、その痛みにあの手この手で必死に抵抗し、なかったことにしようとします。

その努力は報われず、ますます苦しみが増えるにもかかわらず、です。

痛みを増幅させないためには

では、どうすれば苦しみのループから抜け出せるのでしょうか。痛みから逃げていては、痛みが増幅してしまうのですから、答えはシンプルです。

その痛みを感じることです。

痛みを感じると、痛みは増幅することなく、最小限になります。痛みを避けるのではなく、痛みとともにいることのほうが得策なのです。

でも、痛みを感じてしまうと、つらい、悲しい、腹立つ、悔しい、寂しいですね。だから、みなさんには、その痛みに、思いやりの心で対応してほしいのです。

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