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言われなき誹謗中傷を受けたときの心の対処法 痛みを和らげるには痛みを受け入れる必要がある

東洋経済オンライン / 2024年8月31日 17時0分

これをセルフ・コンパッションといいます。

近年、Googleも注目し、世界的に広まりつつあるセルフ・コンパッションは、自分自身で心身を整えて安心感を得る技術です。

痛みにこのセルフ・コンパッションで対応すると、痛みそのものを和らげる最適な行動がとれるようになります。

毒矢のたとえに戻りましょう。

毒矢に射られてしまった状況で、もっとも自分を思いやる行動は何でしょうか。

もちろん、「この矢を射ったのはだれか」と犯人さがしをすることではありませんよね。

医者の言う通り、毒矢を一刻も早く抜くことです。毒矢を抜く行動がとれれば、痛み自体は不可避ですが、痛みを最小化できます。

よく考えてみてください。

痛みは、何らかの対応が必要という体からのメッセージです。そのメッセージを無視してしまっては、適切な対応をとりようがありません。心の痛みも同様です。

心身が何らかの対応を必要としているからこそ、痛みというSOSが発信されているのです。このメッセージを無視してしまっては、みなさんは、心身を壊してしまいかねません。

セルフ・コンパッションのエクササイズ

セルフ・コンパッションは痛みを感じ、適切な行動を促します。次の式を見てください。

痛み × セルフ・コンパッション = 行動

私たちは、痛みに抵抗するのではなく、セルフ・コンパッションを実践するとよいのです。

では、実際にどのように実践すればよいのでしょうか。

セルフ・コンパッションの3つのポイントをなぞることです。

①自分がつらいということに気づき、バランスの取れた見方をします。これをマインドフルネスといいます。マインドフルネスとは「今に気づく」という意味です。

②次に、誰でもつらい経験をすることを思い出します。

③そして、最後に、自分にやさしさと励ましの言葉をかけます。これを自分へのやさしさといいます。

これは、セルフ・コンパッション・ブレイクと呼ばれるエクササイズです。

このエクササイズは、いつでも、どこでも、10分もあれば実践できます。慣れてくると、数分もあれば十分でしょう。このエクササイズを行うと、その場で効果が現われます。きわめて、即効性があるのです。

実際、クリスティン・ネフの研究グループが、1000人以上にこのエクササイズを行ったところ、エクササイズ直後に、ネガティブな気持ちが減り、ポジティブな気持ちが増えたというのです。

私が、日本のビジネスリーダーを対象に調査を行った際も、職場で同じような効果を得られています。

みなさんもぜひ、セルフ・コンパッションの技術を取り入れてみてください。

若杉 忠弘:グロービス経営大学院教授

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