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「隠れパワハラ人材」見抜く採用担当あの手この手 組織に入れないため"パワハラ臭"を嗅ぎ分ける

東洋経済オンライン / 2024年9月2日 8時0分

「TAL」は、ストレス耐性やメンタル疾患発症傾向を測ると同時に、応募者自身の内面の特性を把握・分析できるのが特徴だ。主に以下の項目について分析できる。

コミュニケーション力/ストレス耐性/責任感/積極性/行動力/向上心/メンタル傾向/コンプライアンス傾向 など

この検査は、36問の文章問題(7肢2択)と図形配置問題(1問のみ)で構成されている。出題内容がかなり独創的で、いったい何が正解なのかがわかりにくい。そのため、応募者が事前に対策しづらく、より本人の特性に近い内的傾向をつかめるのがメリットだ。

もちろん、この分析結果だけで応募者がパワハラするかどうかを見抜けるわけではない。だが、仕事で思わぬストレスがかかった時にその人がどういう状況に陥りやすいか、はたまたどういう問題行動を起こしそうか、ある程度の傾向をつかむことはできる。

分析結果でよほど気になる点が見つかった場合は、面接官全員に共有して、その気になる点を面接でも掘り下げる。そして結果の通り、問題行動を起こしそうだと判断したら、不採用にする。

このように、あくまで“選考の補助ツール”の一つとして使うわけだが、応募者の人間性を推し量るうえで役立っているのは間違いない。

最もその人物を知る手がかりを得られるのは、やはり面接の時間だ。手の内を明かすことになるので、質問の中身は言えないのだが、私自身、パワハラ人材を見抜くための「キラー質問」を用意している。

その質問をすると、ほぼ全員が驚いたり、困惑したりする表情をするので、応募者にとってはかなり想定外の内容なのだと思う。

私がそこで注目しているのは、答えの中身というより、質問に対する“答え方”だ。

返答に時間がかかってもいいので、「自分自身を冷静に客観視した答えができているか?」「しっかりと自分の言葉で誠実に語っているか?」を注視している。答えをあやふやにしてごまかしたり、変に流暢だったりするのは疑わしいと見ている。

また、掘り下げる質問や予想外の質問を投げかけたときに、眼光鋭くなったり、顔色がピキっと変わったりする人もいるので、そうした一瞬の表情の変化も見逃さないようにしている。少しイラついたように「いや、ですから」「先ほども言いましたけど」などと、強い口調になるのも要注意だ。

面接中や面接後のやり取りのメールで、何度も細かく待遇などの条件について確認する人もあまり好感は持てない。

条件面について事前に確認するのは大事なことなのだが、あまりに度を越えた質問の多さや細かさがあると、執拗さを感じてしまう。入社後も部下や周りの社員にしつこく問い詰めるのではないかと容易に想像できるため、こうした人物も不採用候補になる。

面接以外の場で横柄な人こそアウト

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