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自分のケアができないリーダーは部下に嫌われる グーグルが注目する自分で心身を整えるスキル

東洋経済オンライン / 2024年9月2日 15時0分

自分自身で心身を整えるために有効な“セルフ・コンパッション”について解説します(写真:metamorworks/PIXTA)

近年、心身の健康を崩してしまうリーダーが増えています。グロービス経営大学院教授の若杉忠弘氏は、「ビジネスパーソンが燃え尽きるのを防ぐために、Googleなどのグローバル企業で注目されているのが“セルフ・コンパッション”です。このアプローチは、自分自身で心身を整えるために有効です」と言います。日本でセルフ・コンパッションを広める若杉氏がその有効性を解説します。

※本稿は若杉忠弘著『すぐれたリーダーほど自分にやさしい』から一部抜粋・再構成したものです。

自分自身で心身を整えるスキル

今、リーダーの置かれている状況は過酷です。必死に頑張るものの、期待通りの成果を出せず、焦る毎日。一時的に成果が出たとしても、容赦なく次の要求へのプレッシャーが降りかかってきます。

常に環境変化への対応を迫られる中で、今、心身ともに疲れ切ってしまうリーダーが増えています。疲弊しているとき、「これではダメだ」「もっと頑張らねば」と自分を必要以上に厳しく責めるリーダーがいます。これは、まるで傷口に塩をすり込むようなもので逆効果です。

このような自己批判的な態度で自分を追い込むと、短期的には成果につながるかもしれません。しかし、長い目で見れば、疲れが蓄積し、いずれ燃え尽きてしまいます。

そうなれば、心身の健康を害し、リーダーとしての活躍そのものを続けることが難しくなってしまいます。皮肉にも、過酷な状況を抜け出すための厳しさが、逆に自分の首を絞めてしまうのです。

こうした状況を打開する新しいスキルが、セルフ・コンパッションです。
セルフ・コンパッションとは、ひと言で言えば、「自分にやさしくすること」。そうすることで、自分自身で心身を整え、安心感を得て、自信をもって前に進むことができます。

セルフ・コンパッションの考え方を活用しながら、自分が疲れ始めたと思ったら、早いタイミングでそのサインを察知し、適切な対応をとることが大切です。

セルフ・コンパッションの研究データ

最近の研究データを見ても、セルフ・コンパッションは、ビジネスパーソンが燃え尽きたり、疲れ切ったりするのを防ぐのに、抜群の効果をもたらします。

あるサービス企業の社員数百人を調査した研究によれば、セルフ・コンパッションを実践している社員であればあるほど、2年後に燃え尽きにくくなっていることがわかりました。

数年にわたる長期的な効果だけでなく、セルフ・コンパッションには短期的な効果があることもわかっています。

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