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マレー半島、ジャングル縦走「夜行急行列車」の旅 首都クアラルンプールは都市交通が充実

東洋経済オンライン / 2024年9月3日 7時30分

トゥンパに到着したジョホールバールからの夜行列車(筆者撮影)

メインの路線は直通列車が減少

マレー鉄道の旅は古くから日本人にも人気であった。熱帯の車窓を眺めながら、半島を縦断する旅は、日本では体験できない「アジアならではの国際列車の旅」でもあった。

【写真38枚を見る】日本では体験できない「ジャングル縦走」マレー鉄道の旅はどんな様子?発展のテンポが速い首都クアラルンプールの都市交通も

しかし、現在のマレー鉄道はインターシティに力を注ぎ、長距離列車は衰退傾向、いっぽうで、タイとは線路がつながっていない東部ルートは、知名度は低いが客車夜行が健在で、こちらはかつて日本の国鉄を走った客車夜行をも彷彿とさせた。路線網が充実してきた首都クアラルンプールの都市交通も併せて紹介したい。

マレー鉄道のメインになる路線はバンコクから線路がつながっているパダンブサールの国境駅から、ペナン島へのフェリーが出るバターワース、マレーシア第2の都市イポー、首都クアラルンプール、半島の先端になるジョホールバールを経てシンガポールに至るルートである。一般に「マレー鉄道の旅」というとこのルートを指し、以前からアジアで「国際列車の旅」ができると人気だった路線である。ディーゼル電気機関車の引く客車列車が、熱帯の景色のなかを長い客車を従えて運行、夜行列車には寝台車を多く連結した列車も行き交ったのである。

【写真】日本では体験できない「ジャングル縦走」マレー鉄道の旅はどんな様子?発展のテンポが速い首都クアラルンプールの都市交通も(38枚)

しかし、現在のこの路線は、大部分の区間が電化され近代化が果たされたものの、格安航空会社や高速バスの発達で、鉄道の役割は低下、国際列車を楽しむようなダイヤではなくなった。おもに力を入れているのは首都クアラルンプールからイポーへのインターシティとなった。

車両は、かつて日本製を含むディーゼル電気機関車が客車を牽引、食堂車を連結するなど汽車旅旅情あふれるもので、古くは冷房のない普通車では窓全開で旅を楽しむことができた。しかし、現在の車両は、一部非電化区間で機関車の引く客車列車が残っているものの、中国製や韓国製の電車が主役で、食堂車は売店となり、窓の開かない車両ばかり、近代化されたものの、旅情は希薄に感じる。冷房も日本人にはかなり強めである。マレー半島の旅のスタイルはすっかり変わってしまった。

東のルートには長編成の客車夜行が健在

いっぽう、マレー半島中東部を縦貫する路線では、昔ながらのマレー鉄道の旅情が味わえる。シンガポールの対岸となるマレーシア最南端のジョホールバールから、半島を北上し、タイとの国境近くのトゥンパに至る742kmである。昼間の列車に加えて長距離夜行列車が1日1往復あり、上りも下りもほぼ同時間帯、夜に出発し、終着には昼過ぎに到着、所要時間は16時間程となる。

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