マレー半島、ジャングル縦走「夜行急行列車」の旅 首都クアラルンプールは都市交通が充実
東洋経済オンライン / 2024年9月3日 7時30分
現在の日本では、円安などから「海外はどこへ行っても割高」というような風潮になっているが、それは誤りで、現在でもお得な国は数多くある。
クアラルンプールの都市交通にも触れておこう。東南アジア諸都市はバンコクといい、シンガポールといい、都市内交通がかなり充実してきたが、クアラルンプールも例外ではない。
現在は都市内鉄道が4路線、モノレールが1路線、高架を行くバス(BRT)が1路線となった。鉄道4路線のうち1路線は全線地上の有人運転ながら、他の3路線は無人運転で、中心部は地下区間である。4路線がクアラルンプール都市圏を縦横に行き交うようになり、都市内の観光も鉄道とモノレールだけで事足りるようになった。鉄道路線はさらに1路線が建設中で2025年に開業予定である。車両は中国、ドイツ、韓国製で、近年は中国製車両の比率が高くなった。モノレール建設は日本技術であったが、車両は自国生産で、全般的に日本の影は薄いといわざるを得ない。
クアラルンプール都市交通の進化は路線数の増加だけではない。実は当初は長きにわたって2路線のみの運行で、スターLRTとプトラLRTの2社が運行、2社の運賃体系は別で、接続駅のマスジットジャメ駅では改札口も異なり、地上にあるスターLRTの駅から、地下駅のプトラLRTへ、一旦地上を歩いての接続で、切符も別であった。
アジアの鉄道は発展のテンポが速い
しかし、都市鉄道だけで4路線となった現在は、全路線がラピドKLという組織の一括運営となり、BRTを含めて通し運賃となったのである。前述の接続駅は、地上ホームから地下ホームへ、改札内で乗り換えができる連絡通路が設けられた。
開業時2両編成だったモノレールは、中間車2両を組み込んで4両編成になって混雑解消傾向となった。ただしモノレールだけは改札などが別で、運賃も別のままである。
日本とマレーシアを直接比較してもあまり意味はないであろう。しかし、日本では都市交通のワンマン運転はなかなか進まず、近年に開通した鉄道路線でも、ゆりかもめのようなゴムタイヤ駆動の交通機関以外に無人運転はない。東京地下鉄と都営地下鉄の経営統合もできないままである。その点、アジア諸都市は、発展のテンポが速いと感じる。
【写真】日本では体験できない「ジャングル縦走」マレー鉄道の旅はどんな様子?発展のテンポが速い首都クアラルンプールの都市交通も(38枚)
谷川 一巳:交通ライター
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