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40代にとって「ぼっち」は全然ネガティブではない 「孤独」ではなく「単独」を楽しめるのが大人

東洋経済オンライン / 2024年9月4日 17時0分

日常の中で他者とのコミュニケーションは何よりも大事ですが、最後は自己完結できる単独のメンタルを持ちつつ、40代からの日々を送りたいものです。

人がウサギを狩るのは「退屈」だから

孤独を楽しむ人というのは、退屈な時間を恐れない人でもあります。「退屈を恐れる」と聞いてピンと来ない方も多いかもしれませんが、17世紀のフランスの哲学者、ブレーズ・パスカルはそう考えた1人でした。

パスカルはウサギ狩りをする人を例にあげながら、「人は獲物が欲しいのではない。退屈から逃れたいから、気晴らしにしたいから、ひいては、みじめな人間の運命から眼をそらしたいから、狩りに行くのである」という意味の言葉を残しています(國分功一郎『暇と退屈の倫理学』新潮社より引用)。

退屈であっても慌てない、「何かしなきゃ」と焦ることなく、「こういう時間もあっていい」と泰然と受け止め、むしろ楽しむことができる心の余裕を多くの40代が身につければ、ストレスを溜めて心をすり減らす中高年はこの国から減っていくはずです。

私の知人はとにかく散歩が大好きで、少しでも陽が出ていると外に出て、行き先も決めずにぶらぶらと漂い歩くのだそうです。この「漂う」というユルい感覚がいいのではないでしょうか。

その際、頭に浮かんでくることを基本的に否定せず、そのまま受け止めて緩やかに思考するようにしているのだそうです。

たとえば、休日にボーっとしている中で仕事のことが浮かんだら、「せっかくの休みなのに仕事のことなんて……忘れろ、忘れろ」と打ち消す人もいると思いますが、浮かんでくるということは脳にだってきっと何か都合があるはずです。

それはそれとして煩悩の1つとして受け止めながら、散歩中の景色を眺めつつぼんやりと考えるのだそうです。

「休みなのに仕事のことを考えてしまっている自分」を否定してストレスを感じるより、浮かんだものは浮かんだものとして受け止めるというのは、確かにおもしろい考え方なのではないでしょうか。

ひらめきは「退屈」から生まれるもの

事実、人の脳というのは、このようにぼんやりしているときに活性化する神経回路があり、これを「デフォルトモード・ネットワーク」(DMN)と呼ぶそうです。

脳科学研究の第一人者である東北大学教授の川島隆太先生によれば、この働きが活性化しているときに、脳内では蓄積された情報の整理が行われ、これによりクリエイティブな発想が生まれやすくなることがわかっているのだそうです。

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