ChatGPTが難点?フォルクスワーゲン最新3モデル ゴルフ/ティグアン/パサート現地で見たVWの今
東洋経済オンライン / 2024年9月4日 12時0分
「IDAも便利ですが……」とグリュニッツ氏は続ける。「ChatGPTによって、インフォテインメントシステムの可能性はさらに大きく広がります」と言う。
「AI(人工知能)によって得られる情報はさらに拡大し、ツーリストにお勧めの場所案内、サッカーなどの試合の結果、さらに数学の問題の解き方まで、自分の使っている言語で話しかけるだけでいいのです」と、グリュニッツ氏。
ChatGPT搭載OS「MIB4」を試す
実際にゴルフのハンドルを握りながら「ハロー・アイダ」と話しかけると、システムが起動。「ここから空港までの近道を教えて」と、よくある質問をすると、いくつかのルートを示してくれた。そこから、提案されたルートプランの番号を選べばよい。
このあたりはIDAの守備範囲だ。「このクルマに乗っている子どものために、恐竜の物語を語ってくれる?」と告げる。ここからは、ChatGPTの出番だ。
そして、物語を語る音声が流れ出す。物語は、あるジャーナリストが、YouTubeにアップした動画のものだった。「ティラノサウルスはどんな恐竜?」とか「ジュラシックパークってどんな映画?」といった質問についても、車載ChatGPTが答えてくれる。
アメリカに住む知人が、「長い距離の移動のときは、音楽よりもオーディオブックがいい」と言っていたのを思い出した。こういう人にも福音かもしれない。
ChatGPTを組み込んだ今回のオペレーティングシステムを、フォルクスワーゲンでは「MIB4」と名付けている。モジュラーインフォテインメントシステムの第4世代だ。
「レディ・トゥ・ディスカバー」や「ディスカバー」など、グレードによって中央のモニターの大きさが異なり、最大のものでは12.9インチになる。
私がドライブしたゴルフは、「eTSI Life」というグレード(日本に導入時には「Active」と呼ばれるそう)。85kWの1.5リッターターボエンジンに、モーターを必要に応じてトルク増強に使う、48ボルトのマイルドハイブリッドシステムが組み合わせてある。
走り始めると、スムーズな加速とともに重めのアクセルペダルやしっかりした操舵感覚が印象的で、アウトバーンの時速130km制限区間では、気持ちよく流れに乗って走ることができた。
余談になるが、速度無制限区間では、走っているとその横を速い車両が一瞬で通りすぎていく。ドイツ人は、“飛ばす”のだ。
ゴルフの足回りは硬めで、ハンドルや足裏への振動はよく抑えてある。一方、シートのクッション性というか耐振動性がいまひとつ。身体に伝わってくる路面からのバイブレーションが、高い質感を期待していた私にはやや残念な点だった。
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