ChatGPTが難点?フォルクスワーゲン最新3モデル ゴルフ/ティグアン/パサート現地で見たVWの今
東洋経済オンライン / 2024年9月4日 12時0分
感心したのは、運転支援システムだ。アダプティブクルーズコントロール(ACC)とレーンキープを統合制御する「トラベルアシスト」がそなわっている。
本国仕様では、さらに交通標識認識機能(TSR)が加わっており、アウトバーンでも一般道でも、自動で速度を調整。さらに「プリディクティブACC」という機能が、ナビの地図データを読み取り、たとえばカーブの手前で減速するなど制御を働かせる。一般道でも車線がきちんとあれば、ハンドル操作は車両に任せて走れるのだ。
これらとともに、先述のボイスコントロールシステムを使うと、“このベクトルでクルマは進化していくのか”と、納得する気持ちになってくる。
同様のシステムは、ティグアンとパサート ヴァリアントにも搭載。どちらのモデルでも高い利便性を体験できた。ただし、いまのところChatGPTは日本仕様につかないようで、それだけは残念でならない。
ティグアンは「満ち足りた気分になる」
ティグアンは、「TDI 4Motion R-Line」という、142kWの2.0リッター・ディーゼルエンジンに、4MOTIONと名付けられた全輪駆動システムが組み合わされたモデルをドライブした。「アダプティブシャシーコントロールDCC Pro」をそなえていたモデルで、しっかりした操縦性が光っていた。
しっとりとした乗り心地と、過敏でも鈍でもないステアリングの設定も絶妙で、運転席にいると、たいへん満ち足りた気分になる。ただし、後席は合成繊維のシート地のせいで身体が微妙に滑って、落ち着かなかった。
皮革(本革)を使わない内装のことを「ビーガンインテリア」といったりして、動物由来の素材を回避する傾向が出てきている。ただしこのように、素材を含めて過渡的な状況なのかもしれない。
パサート ヴァリアントは、ゴルフの上に位置するセダン「パサート」のワゴン版だ。といっても、パサートとして9代目となる新型が、ヴァリアントに1本化され、セダンの設定はないという。
「ビジネスクラスの車両であると同時に、ファミリー向けのオールラウンダー」というのが、フォルクスワーゲンによるパサート ヴァリアントの定義。この新型もやはり「市場もっとも先端的なテクノロジーを搭載した」ことが、特徴の第一点としてうたわれている。
私が乗った「eHybrid R-Line」は、1.5リッターエンジンを使うプラグインハイブリッド。最高出力は130kW(日本導入車両は110kWになるという)。
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