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コンビニから宇宙まで、KDDIとOpenAIが描く先 ローソン改革とStarlink連携で社会課題に挑む

東洋経済オンライン / 2024年9月4日 19時30分

日本市場への注力についても語り、日本が抱える少子高齢化などの社会課題に対し、AIが解決策を提供できる可能性を示唆した。日本が世界に先駆けてこれらの課題に直面していることから、AIを活用した新たなソリューションの可能性を探る意義を強調した。

AIの進化の速さにも言及し、GPT-3から4への進化で100倍近く性能が向上し、マルチモーダル化も実現したことを説明した。次期モデルでも飛躍的な進化があるだろうと論じ、「AIの旅路はまだ始まったばかり」と述べた。

KDDI社長とOpenAI Japan社長の対談

高橋社長と長崎社長の対談では、AIの社会実装と未来像について活発な議論が交わされた。

AIの民主化とソーシャルインパクトについて、長崎社長は「正しくAIを使い、正しいインパクトをもたらすことが重要」と強調した。日本の社会課題、特に少子高齢化に対するAIの貢献可能性について言及し、「日本は世界に先駆けてこれらの課題に直面している。AIを活用することで、新たなソリューションを見出せる可能性がある」と述べた。

社内でのAIの普及に関する課題も取り上げられた。高橋社長が「使う人と使わない人の差が広がることが課題」と指摘すると、長崎社長は「早く使って早く慣れることが重要。AIはマニュアルがないので、トライアンドエラーが必要」と応じた。

コンビニエンスストアでのAI活用についても意見が交わされた。長崎社長は、現状のコンビニサービスで必要な多くのボタン操作をAIとの対話で代替できる可能性を示唆し、「ストレスフリーの顧客体験に近づいていく」と予測した。高橋社長もこの見解に同意し、KDDIとローソンの提携がこうしたAI活用による新しい小売り体験の実現を目指すと述べた。

高橋社長は、ローソンへの出資後、KDDIから社員を出向させる過程で、両社が直面している課題の共通性に気づいたという。顧客とのつながりの維持、AIを活用した業務効率化、労働力不足への対応など、KDDIとコンビニが抱える社会課題は極めて類似していることが分かったと述べた。高橋社長は「そこにAIが入ってきたものだから、このAIをコンビニでこう使うと我々の通信会社でも使えるかみたいな話になってくるので、むちゃくちゃ面白い」と語り、この連携が両社にとって大きな可能性を秘めていることを強調した。

特に、生成AIによるカスタマーサポートがコンビニと携帯電話キャリアの両方に適用できる可能性を示唆し、顧客接点の革新に向けた取り組みに意欲を示した。

通信業界では5GとAIの関係性についても言及があり、高橋社長は「5Gの次はAIかもしれない」という見方を示した。これに対し長崎社長は、「AIがエンベデッドされていく世界になる。レイテンシが全くない形で通信の高速化が進む」と予測した。

両社長は、AIがもたらす変革が単なる効率化や利便性の向上にとどまらず、社会構造そのものを変える可能性を秘めていることで一致した。テクノロジーを通じたソーシャルインパクトの創出が、これからの企業の重要な役割であるという認識を共有して対談を締めくくった。

最後に、高橋社長は「グローバルスタンダードをいち早く取り入れ、そこに日本らしい付加価値を乗せていくことが重要」と締めくくり、KDDIが目指す未来像を示した。

石井 徹:モバイル・ITライター

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