商事、ふそう、自動車「三菱3社」連合で戦う意味 イブニオンの「ありそうでなかった」DX戦略
東洋経済オンライン / 2024年9月5日 13時0分
なぜ、EVはなかなか普及が進まないのか?
【写真】アグリゲーション・コーディネーターという存在がこれから重要となる
その理由として、充電インフラ不足、充電時間の長さ、そして車両コストの高さと下取り価格の低さなどが指摘されて久しい。
こうした点については、国の支援事業や民間事業者の技術開発によって段階的に解消へ向かおうとしているところだ。しかし、EV普及の大きな課題は別にある。
それは、エネルギーマネージメントという大きな括りの中で「EVを使った持続的なビジネス」をどう構築するべきか、その答えがまだ見えていない点だ。
商事+トラック・バス+自動車の3社連合
その突破口となる可能性を秘めた企業が2024年6月に誕生し、9月から事業を開始する。
企業名は、イブニオン株式会社。イブニオン(EVNION)の名は、EV+UNION(団結、つながり)に由来する。
ロゴマークは、EVの「E」、電源プラグの形状、ブロックのように組み合わせる形態、成長を表現する「重なる」形、そしてサスティナビリティを表現する「木/葉」など、さまざまなイメージを融合させたものだ。
イブニオンの事業実態と、今後の方針に向けた詳しい話を聞くために訪れたのは、神奈川県川崎市内の三菱ふそうトラック・バスの本社である。
イブニオンは、三菱商事(35%)、三菱ふそうトラック・バス(35%)、そして三菱自動車工業(30%)の3社が出資する合弁企業で、本社機能を三菱ふそうトラック・バスの本社・川崎製作所敷地内に置く。
出迎えてくれたのは、イブニオン代表取締役社長の窪田賢太氏と、取締役(営業推進・カスタマーソルーション担当)の五島賢司氏だ。
三菱商事には、EV向けリチウムイオン電池やエネルギーマネージメント、三菱ふそうトラック・バスには、EVトラック「eキャンター」、そして三菱自動車工業は「eKクロス EV」や各種PHEV(プラグインハイブリッド車)に関連する技術やノウハウを持つ。
そのうえで、3社が具体的にイブニオンへとつながる共同歩調を意識し始めたのは、3年ほど前からだという。
なお、三菱自動車工業には、別の機会に取材した博報堂との合弁企業でアウトドア関連事業を手掛ける「NOYAMA(ノヤマ)」もあり、イブニオンと新規事業戦略の両輪として動く。
では、イブニオンはどんなビジネスを展開するのか。事業の柱となるのは、オンラインプラットフォームの「イブニオン・プレイス」だ。
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