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「あ、昇進するなら辞めます」若者の新常識のなぜ 上司が「昇進を受けてもらう」ためにできる工夫

東洋経済オンライン / 2024年9月5日 9時0分

また、インターネットで情報収集することに長けており、お金をかけなくても欲しいものを手に入れる術をよく知っています。

そういった点からも多額のお金を必要としないということもあるでしょう。

また、一昔前は「出世=成功」「仕事を通じて自己実現をしていく」という価値観が主流だったように思います。

しかし、今の若手世代は必ずしもそうではなく、「出世より仕事よりプライベートを大事にしたい」といった声がよく聞かれます。

こういったことからも自己実現は仕事を通じてではなく、プライベートを充実させることで行っていきたいという価値観を感じます。

これらのことを考えると、「昇進すると忙しくなるから残業や休日出勤も増えるだろうし、人間関係のストレスも増える。そんなのは絶対に嫌だ。給料はそこそこでいいし、偉くなりたいわけでもない。だから昇進なんかしたくない」というのが、昇進が原因で辞める人の本音だといえるでしょう。

実際、その理由で辞めた31歳の男性はこう話されていました。

「上司のマネージャーを見てると、毎日残業してるし、土日もたまに出社してるし、上からの圧力もきつくなるし、自分には無理だと思いました。自分は給料が上がるより定時で帰れるほうがありがたいです。なので、マネージャー昇格の話が出たタイミングで辞めました」

こういった若手社員の心理からすれば、「昇進は名誉なこと。きっと本人も喜ぶだろう」と考え、本人の意向も十分に確認せずに若手社員を昇進させようとすると、離職されかねないわけです。

そのため、昇進させるかどうかを判断する際は本人の意向をよく聞いたうえで慎重に対応することが重要です。

昇進に応じてもらうためのコミュニケーションと関わり

とはいえ、ある程度の年次になったら、昇進してチームを取りまとめてもらわないと困る場合もあります。

その場合、昇進前の段階から昇進後の業務を少しずつ経験してもらい、自信をつけてもらうと、スムーズに昇進してもらいやすくなります。

また、昇進を拒む場合はその理由を把握し、その理由に応じて次のことを伝えることができれば昇進に応じてもらいやすくなります。

・業務量が多すぎる場合、サブリーダーを設けて業務を分担してもらうこともできる
・昇進後、上司が相談役として関わるので相談したいことは遠慮なく相談していい
・責任を1人で抱え込もうとせず、上司と連携して一緒に進めていこう
・昇進後、どうしても耐えられないようなら、また元のポジションに戻すこともできる

そして、昇進後は実際にこれらのフォローを行い、業務の経験を重ねてもらうと、残業しなくても業務をこなせる体制を作ったり、人間関係のストレスの耐性がついたりすることで、昇進後の業務もこなせるようになっていきます。

「昇進したくなかったです。だから辞めます」

そういった離職を防ぐために、まずは相手の考え方を理解し、その考え方に沿ったキャリアアップの支援をしていただければと思います。

そのうえで本記事が参考になれば幸いです。

藤田 耕司:経営心理士、税理士、心理カウンセラー

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