映画業界も驚く「ホラー映画」若者にヒットの裏側 「あのコはだぁれ?」おばけ屋敷の様な上映回も
東洋経済オンライン / 2024年9月6日 10時0分
現在、ほとんどの映画館の小中高生の学生料金が1000円ということで、この数字からも、学生をはじめとした若者が劇場に足を運んだことが裏付けられる。
まさに夏映画の意外な伏兵として数字を積み重ねた『あのコはだぁれ?』だが、同作の宣伝プロデューサーを務める山崎栞氏も「本作は若者向けの宣伝を意識した」と狙いを明かす。
宣伝のコンセプトは「夏休みに友人グループとお化け屋敷感覚で来場できる映画」ということで、若者層を宣伝のターゲットにすることは最初から決まっていた。
キャッチコピーも「見つかったら殺される」「この教室にはいないはずの生徒がいる」「7.19みいつけた」など、“あのコ”から逃げられるかといった、校内で鬼ごっこをするようなゲーム感覚で楽しんでもらうべく、ひねらずに、内容がストレートに伝わるようなコピーが選ばれた。
さらにプロモーション期間中のテレビ出演時や、メディア向けのインタビューなどでは、主演の渋谷には「わたしが出ているので観てください」ではなく、「スクリーンの中のわたしも怖がっているので、皆さんも一緒に怖がってください」といった具合に話すようにリクエストするなど、“観客との共感性”を前面に打ち出した。
キャラクターよりも作品の内容を前面に押し出す宣伝方針ではあったが、渋谷が所属する事務所サイドもそのコンセプトを理解し、かつ協力的だったという。
絶叫上映は、まるでおばけ屋敷のよう
さらに劇中に登場する“あのコ”がスクリーンを飛び出し、実際に劇場内をうろつきまわる“絶叫上映”も札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の劇場で実施された(“絶叫上映”は複数回にわたって実施され、初回は宮城と広島の劇場でも行われた)。
スクリーンに“あのコ”が登場するタイミングで、劇場内にもリアル“あのコ”が登場し、場内をうろつきまわったり、観客の顔をのぞき込んだり、オリジナルステッカーやミニICレコーダーをプレゼントしたりするという取り組みだ。
絶叫&声出しオーケーの特別上映ということで、“あのコ”が客席の間を通り過ぎるたびに「キャー!」といった悲鳴や、「無理無理無理!」といった怖がる声などが響き渡るなど、劇場内はまるでおばけ屋敷のような様相を呈していた。
もともとは昨年の『ミンナのウタ』公開時に実施されたイベントだったが、会場のボルテージも最高潮で、大盛況だったこともあり、『あのコはだぁれ?』では初日から通常上映のほかに、“絶叫上映”の回も並行して実施。
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