60歳を過ぎたら「たかが便秘」では済まされない 「大きなウンチ」を「しっかり出す」が腸活の基本
東洋経済オンライン / 2024年9月7日 8時0分
性別を問わず、60代の後半から悩む人が増えてくる便秘。その理由は腸内細菌の環境がガラリと変わる「60歳の壁」にあると、文教大学健康栄養学部教授の笠岡誠一氏は指摘します。また、笠岡氏によれば、「腸活」は便秘の解消だけではなく、大腸がんのリスクを減らすなど、多くの健康効果をもたらすそうです。
※本稿は、笠岡氏の著書『9割の人が間違っている炭水化物の摂り方』から、一部を抜粋・編集してお届けします。
腸内細菌の環境がガラリと変わる「60歳の壁」
加齢によって腸の働きは、だんだん衰えていきます。そうすると、悪玉菌が増えやすくなり、便秘になりやすくなります。
グラフを見ると、60代後半から便秘に悩む人が増えていることがわかります。70代前半までは女性のほうが多いのですが、70代後半からは男女共通の悩みになります。
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60歳以降、便秘が増える理由には、いくつか原因が考えられます。
○腸の働きの低下
加齢によって、大腸のぜん動運動が低下することが考えられます。大腸内に便がとどまる時間が長くなり、その間に便の水分が吸収されて硬くなり、便秘を引き起こしてしまうのです。
○便を押し出す力の低下
筋力の低下によって、便を押し出す力が低下することにより、便が大腸内にとどまりやすくなってしまいます。
○食べる量が少ない・食物繊維の摂取量が少ない
年を重ねると食が細くなっていきます。便のもとは食べたものですから、食べる量が少なければ、便の量も減ってしまいます。食事量の減少とともに、便を形づくる食物繊維の摂取量も少なくなるため、便秘になりやすくなってしまいます。
「大きなウンチ」を「しっかり出す」が腸活の基本
便秘を予防するために、若いときよりも意識して腸活に努めましょう。ご飯などの炭水化物をしっかり摂り、ヨーグルトや、ごぼう・大根などの野菜を意識して摂るようにしましょう。
また、日中の活動量が少なければ、エネルギーが使われませんから、お腹もすかず、食べる量も少なくなります。家の中ばかりにいるのではなく、外出して適度な運動を心がけましょう。からだを動かすことは、腸に直接、刺激を与えることにもなり、ぜん動運動を促すことにもなります。
ウォーキングに出かけたら、途中でトイレに行きたくなったという経験のある人は多いことでしょう。これは、からだを動かすことが腸への刺激になって、便通が促された証しです。
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