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60歳を過ぎたら「たかが便秘」では済まされない 「大きなウンチ」を「しっかり出す」が腸活の基本

東洋経済オンライン / 2024年9月7日 8時0分

運動すると気分も前向きになり、食も進むものです。1日をぜひ活動的に過ごして、しっかり食べて、腸の元気を維持しましょう。

中高年・高齢者に限らず、便秘は若い女性にも共通する悩みです。特に太ることを気にして、炭水化物を制限したりすると食物繊維が不足して、たちまち腸内環境は悪化し、便秘になってしまいます。

「大きなウンチを作って」「しっかり悪いものを体外に出すこと」。これが腸活の基本と、心得てください。

さて、ここまで腸活の大切さと食物繊維の重要性をお話ししてきました。腸活によって腸内細菌を元気にすることが免疫力を高めたり、肥満を予防したりするといった多くの健康効果につながることがわかっていただけたでしょう。

さらにここからは、腸活は病気の予防という側面からも重要であることをお話ししましょう。

まず、腸が元気になることで、大腸がんのリスクを減らすことができます。2022年の統計で、死亡数が多いがんは、女性の第1位、男性の第2位が大腸がん。罹患者数は、年間約16万人もの数になります。

大腸がんの発症には、生活習慣、特に食生活との関連性が強く指摘されています。日本人の食生活が炭水化物を減らす方向にシフトしてから、急激に患者数が増えたがんの1つです。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、炭水化物の摂取量は1955年には1日411グラムありました。それが、2019年には248グラムまで低下しています。1日当たりのエネルギー摂取量も減少、米の摂取量も低下しています。炭水化物の摂取量が減少するのに反比例するように、大腸がんにかかる人が急増しています。

疫学的な研究で、炭水化物(でんぷん)の摂取量が減ると、大腸がんの発症頻度が上がるという報告もあります。

また、炭水化物に含まれる食物繊維は、善玉菌の「エサ」になり、エサを食べた善玉菌は、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの「短鎖脂肪酸」を作り出します。この中の「酪酸」が、大腸がん予防にすごい働きをしていることが近年の研究でわかってきました。

通常の細胞はブドウ糖をエネルギー源としていますが、大腸の細胞は、酪酸を主要なエネルギー源としています。そのため酪酸の量が不足すると、エネルギー不足に陥り、細胞が正常に機能できません。

また酪酸は、がん抑制遺伝子の一種「p53」を活性化することもわかりました。p53遺伝子が活性化すると、がん化した細胞が増殖するのを防いだり、死滅させたりと、がんの発症リスクを下げることができるのです。

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