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経営者SNS「セクハラ軽視発言」の本当の被害者 「セクハラなんて可愛く思える…」と発し、炎上

東洋経済オンライン / 2024年9月7日 10時0分

経営者SNS「セクハラ軽視発言」の本当の被害者

経営者のSNSには、どこか「炎上しやすいイメージ」がある。先日も不動産会社の経営者が、女性起業家へのセクハラをめぐる風潮に異論を唱え、あらゆる方向から批判が起こる炎上状態に陥った。

【画像】「セクハラ軽視」と炎上した、実際のポスト

ネットメディア編集者として、これまで幾多の炎上事案をウォッチしてきた筆者からすると、イケイケな実業家による炎上発言の多くは、「自分の経験」や「サンプル数の少ない体験談」のみに立脚しているにもかかわらず、「経営者は」といった大きな主語を用いることで起きている。

そうした炎上が起きても、発言者本人だけが責任を負うのであれば、それはそれで問題ない。しかし、実際に痛手を負うのは、経営側ではなく「善良な従業員」だ。彼ら彼女らを襲う、とばっちりの問題点を考えつつ、なぜ「経営者のSNSは燃えるのか」について考えてみたい。

「ベンチャー起業のセクハラ」をめぐる発言に批判殺到

このところ話題になっているのは、「ベンチャー起業のセクハラ」をめぐる発言だ。

きっかけとなったのは、2024年8月28日に「NHK みんなでプラス」に掲載された、「“女性起業家の半数がセクハラ被害” スタートアップ業界で何が」と題する記事。ここでは投資家らが出資の代償として、「愛人契約」や性交渉などを持ちかけるケースが紹介され、そうしたムードがスタートアップ業界に与える負の側面を浮き彫りにしている。

その記事を引用リポストする形で、8月29日に「厳しい言い方になるけど、これで諦めるなら、起業家には向いてないんじゃないかと。セクハラなんて可愛く思える位、エグい経験するのが会社経営です」などとXに投稿したのが、不動産会社「グッドライフ」代表の松本友樹氏だ。

この発言に対して、Xユーザーからは、「セクハラ擁護、軽視ではないか」「性被害が減らない理由がわかる」といった批判が殺到し、炎上状態となった。

松本氏は、他のユーザーからの反応に「セクハラを軽視していません」「当社ではハラスメント防止規定も設けてます」などと返信しているが、「そもそもセクハラと起業家の苦難は別の問題だ」「同じ起業家でも、男性と女性では、事情も実感も異なる」といった背景もあり、反発が相次いでいる。

その後、松本氏は9月3日にネット配信番組「ABEMA Prime」へ出演し、「エグい経験」とセクハラをからめたことについて、「このような発言をしたのは失敗だった」と発言。出演後にもXで「表現が一部不適切だったのは認めます。不快な思いをさせてしまった方には申し訳なく思っています」と投稿した。

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