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松山英樹も契約、住ゴム「スリクソン」急成長の訳 「期待されていない」存在から世界のブランドへ

東洋経済オンライン / 2024年9月8日 8時0分

長い間、国内では日の目を見なかったSRIXONブランドの潮目が変わったのは、2002年ごろだ。

認知を広めるため、国内の契約プロのキャップをSRIXONに統一。筆者の印象に残っているのは、2003年のダンロップ・ミヤギテレビ杯でアマチュア優勝した宮里藍がかぶっていたサンバイザー。ロゴがSRIXONだった。

アメリカでも2006年に契約したジム・フューリック(2003年の全米オープンゴルフで優勝) の活躍などで、ブランドの強化につながっていった。

もう1つの潮目は、2007年だ。アメリカのゴルフメーカー、Cleveland Golf Company,Inc(クリーブランドゴルフ)の買収により、海外展開が加速した。アメリカPGAツアーでの露出も増え、PGAツアーにおけるSRIXONボールの勝利数も、2005年の初勝利から2023年までに62勝を数えている。

メジャー大会だけ見ても、2011年の全米プロではキーガン・ブラッドリー、2019年の全英オープンではシェーン・ローリー、2021年マスターズでは松山英樹(日本人として初めてメジャーを制覇)、そして2023年の全米プロではブルックス・ケプカ。多くの契約プロが優勝している。

プロにとってボールは重要アイテムの1つで、飛び、コントロール性能、アプローチ性能、打感などにこだわりがあり、勝敗を左右する。それだけにこうした結果が持つ意味は大きい。

松山の活躍で使用者が増加

昨今ではボールだけでなく、クラブも使用者が増えてきている。その一因にあるのは、松山の活躍だろう。

認知度が一気に上がり、アメリカでゴルフ場での販売チャネルも拡大、直近のSRIXONブランドのグローバルの販売実績推移を見ると、2023年は2019年の2.2倍に大きく伸長している。

住友ゴム工業の2024年2月の中期計画進捗報告を見ても、スポーツ事業は3期連続増収増益。2023年の売上収益は1266億円で、2021年から1000億円を超えている。

この推進力にSRIXONブランドが大きく貢献しているのは間違いないだろう。加えて、スポーツ事業の70%程度を海外事業が生み出しており、グローバル化も進んでいる。

冒頭で紹介した2024年のプレーオフシリーズの第3戦、フェデックスポイント上位30人しか出場できないツアーチャンピオンシップでも、松山英樹、シェーン・ローリー、キーガン・ブラッドリーなど、契約プロ5人が出場を果たした。SRIXONの勢いそのままである。

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