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松山英樹も契約、住ゴム「スリクソン」急成長の訳 「期待されていない」存在から世界のブランドへ

東洋経済オンライン / 2024年9月8日 8時0分

しかし、そうはいかなかった背景があったという。

「当時、住友ゴム工業が所有している商標のうち、スポーツ用品の分類でDUNLOPが使えるのは、日本、台湾、韓国に限られ、アメリカを含めたほかの地域ではスポーツ分野で使用できなかったのです」(飯島氏)

そこで新たに立ち上げたのが、SRIXONという新ブランドだ。ゴルフをこよなく愛する人たちとともに、ゴルフの未来を切り拓いていく理念を掲げ、ブランドコンセプトにしている。

「SRI」は住友ゴム工業(Sumitomo Rubber Industries)の頭文字であり、Xは限りない、将来への夢(Dream for the future)、「ON」は前進(Going on and on)を意味する。商標は1993年に出願された。

だが、やはりDUNLOPというブランドの存在は大きい。当時、SRIXONというブランドは、伊井康高氏(元取締役)がチームリーダーとなって検討を進めていた。ところが、社内から異論が出る。

「ゴルフ事業の主力は日本国内で、海外向けに立ち上げたSRIXONは社員への印象は決してプラスではなかった。DUNLOPがあるからSRIXONは必要ない、もしくは海外向け専用ブランドという認識だった」(飯島氏)

ある意味、期待されていないブランドとしてのスタートだった。

期待されていないブランドの躍進

SRIXONの商品は1996年に東南アジアでゴルフボールを販売したのを皮切りに、1997年にはアメリカ、1998年にはイギリスなどヨーロッパで販売を開始する。1997年にはアメリカでスリクソン・スポーツUSAを設立し、徐々にグローバルでの販売体制を構築していった。

1999年には日本でもボールを発売し、少しずつ国内でもブランドの認知が広がっていった。だが、ここでもSRIXONはわきに追いやられる。

2000年、住友ゴム工業は100億円以上を売り上げていたゴルフブランド「Callaway(キャロウェイ)」との契約が終了。社運をかけてこれに代わる新しいブランド、XXIOの立ち上げに注力していたからだ。

それでも、2001年に女子プロゴルファーのレジェンド的な存在であり、岡本綾子プロの盟友のローラ・デービスや、タイガーウッズとの名勝負で知られる男子プロゴルファー、トーマス・ビヨンと契約。 2002年には同ブランドのウッドクラブW-201と、アイアンI-201を発売した。

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