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"推し"へのファンレター「自分の言葉」で書く方法 語彙力より大事な「推しを語るコツ」とは何か

東洋経済オンライン / 2024年9月10日 15時0分

あくまで一例ですが、私はこんな感じで具体的にメモをしています。そして具体例をどのぐらいメモするか、どこまで網羅するかは、ぶっちゃけ、あなたがどれくらい「メモ魔」になれるかどうかによります。

ちなみに私はけっこうメモ魔なので、大量に具体例を記録しておくのが好きなんですが。メモが苦手な人も「感動ポイントを全部メモしなきゃ!」とプレッシャーを感じる必要はありません。それより、ひとつのことでもいいので、とにかく具体的に書いておきましょう。これがなにより大切です。

そして、自分に嘘をつかずに挙げること。

無理して「よかった点だけ」挙げるのではなく、「違和感を覚えた点」も含めて挙げることで、より自分の感覚を深く言語化することができます。嘘をつかず、楽しくできる範囲で、具体的に感動した点を挙げるのがポイントです。

感動ポイントを「細分化」すべき理由

心を動かされたところを具体的に挙げるうえで注意してほしいのが、「細かく」挙げること。

これは細かくたくさん挙げろ、と言っているのではありません。挙げるのが全体的な点ではなく、細かければ細かい点であるほどいい! という意味です。

細かく具体例を挙げることのなにがいいのか。それは、感想のオリジナリティは細かさに宿るからです。

たとえば、ライブの感想に「最高!」という言葉しかでてこないという悩みは、ライブの「どこが」最高だったのかを言えたら解消されます。ライブで「この曲が」演奏されたのが嬉しくて、「この歌詞が」あらためて響いて、「この演出が」自分の心を揺さぶった。

そんなふうに、最高だった点を細分化さえできれば、じつは語彙力なんてなくても、あなたのオリジナルな感想になり得るのです。

あなたの心に、どこが響いたのか。それを細かく挙げることによって、あなたの感想はあなたの言葉になります。

この具体例が細かければ細かいほど、ほかの人と違う感想になりやすいんですよね。

もちろん無理に他人と違う感想を言う必要はないのですが、それでも、あなた個人のオリジナリティある感想を書けたほうが、あなたが書く理由があるじゃないですか。だから私は、できるだけ細かい点が挙げられた感想が読みたいな、といつも思っています。

そう、言語化って、細分化のことなんです。

感想だけでなく、この世のあらゆる言語化は、まず細分化が必要です。言語化というと、なにかをそっくりそのまま言い換える表現のように思われますが、違います。言語化とは、「どこが」どうだったのかを、細分化してそれぞれを言葉にしていく作業なのです。

三宅 香帆:文芸評論家

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