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「81歳で新人漫画賞」を受賞した漫画家の正体 かつては20代後半でも「遅咲き」と言われた

東洋経済オンライン / 2024年9月10日 13時0分

ハン角斉氏は、小学生の頃から漫画家になりたかったが挫折。整骨院を営む傍ら45歳にして再びペンを執り、投稿を繰り返すも落選続きだったという。それでも諦めず20年ほどの時を経てデビューにこぎつけたのだから、その執念には頭が下がる。

単行本にはデビュー作を含む6編を収録。モテない男のペーソス(哀愁)がしみる『親父のブルース』、余命宣告された男の思わぬ最期を描く『黒い蝶』、幼い娘を殺された母の絶望と救済の物語『案山子峠』など、いずれも妄想と現実が反転するような仕掛けをはらむ。

細密なペンタッチも印象的で、謎の収容施設からの逃走劇『眠りに就く時…』の草木や星空、『模様』の顔にアザのある少女の描写には偏執狂的なものすら感じる。画面のインパクトにおいても青木氏に優るとも劣らない。

ハン角斉氏が憧れの作家として名前を挙げる池上遼一氏は1944年生まれの80歳。現在もヒット作『トリリオンゲーム』(原作:稲垣理一郎)で健筆を振るっている。前出の弘兼氏も3年後には80歳になるが、余裕でバリバリ描いているに違いない。

弘兼氏も含む1947~1949年生まれの団塊世代には、今も現役の漫画家が大勢いる。ざっと思いつくだけでも、本宮ひろ志、かわぐちかいじ、西岸良平、尾瀬あきら、小山ゆう、さだやす圭、諸星大二郎、弓月光、大島弓子、山岸凉子、青池保子、萩尾望都など。いずれもまだまだ現役で描き続けると思われる。人生100年とも言われる超高齢社会において、これからは80代の漫画家、何なら80代の新人漫画家も珍しくなくなるのかもしれない。

南 信長:マンガ解説者

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