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森田剛「グルメ番組で食べず炎上」への強烈な違和感 演者以上に、放送した番組サイドに募る"懸念"

東洋経済オンライン / 2024年9月12日 20時20分

制作側は「グルメ番組なのに食べない」という構図に魅力を感じて、オファーしたのかもしれないが、それがしっかり伝わっていなかったら、演者の動きも変わってきてしまう。ただ、森田さんは、終盤まで番組コンセプトを知らなかったとしても、当初から「『食べない自分』を求められている」と察していたように見える。

例えば、1杯目のドリンクを飲んだ瞬間から「これ飲んだら帰ろう」と呼びかけたり、フレンチトーストを見て「めっちゃうまそう」と反応した直後に、冒頭の「吸ってきていい?」発言をしたり……。

また、あくまで筆者の感想でしかないが、食以外の部分においては、できる限りのサービス精神を見せていたように感じられる。ドライブの道中では、結婚相手を知らない兼近さんに、森田さん自ら「みやざ……き……は……」と小出しにすることで、映画監督の宮崎駿氏と答えさせようとする場面もあった。また、トランポリンを跳びはねながら、テンション高く「ウォホーーー!」(番組テロップの表記)と叫ぶシーンもあった。

SNS社会における「切り抜き」のリスク

今回の炎上では、「SNSでの画面キャプチャ」が発火点となった。当然ながら著作権や肖像権から問題があるものなのだが、このSNS社会において、「切り抜き」のリスクは、常に隣り合わせだ。

そして、いざ切り抜かれてしまったら、本来とは異なる文脈が付与されてしまう。拡散されたキャプチャには、森田さんによる「興味ないわ」という発言もあったが、番組を見る限り、これはスベり気味の満島さんの言動をツッコむ文脈だった。

満島さんとの関係性における「イジり」と思われるにもかかわらず、本来の文脈が絶たれ、批判的な文脈で拡散されることにより、「食に対して興味がない」といった意味合いに受け取られてしまう。

「とにかく批判したい」タイプのネットユーザーは、1時間の本編すべてを見ることは少なく、最大4枚の画面キャプチャのみで判断しがちだ。私たちのようなライターの記事が、最後まで読まれず、見出しだけで批判されるのと近い感覚だろう。

テレビの場合には、そこにテロップの功罪も間違いなく存在する。目立つ発言をテロップで引き立たせることで、より印象づけようとする演出が、効果を持つことはわかる。ただ、静止画で「誰が何を言った」が明確になることで、発言者をおとしめようとする人が、SNSにて拡散しやすくなる側面もある。

このような時代背景を鑑みると、今回のメシドラは「演者の個性」を尊重した結果、かえって演者に迷惑をかける結果になったようにも感じられる。

今後の「番宣」では、どんな姿を見せてくれるか

ちなみに番組ラストには、森田さんが出演する舞台が告知されていた。つまり「宣伝」の一環だったわけで、今後も各局の番組に出る可能性は高い。そこで「どう写るか」が、森田さんの今後を左右するだろう。

城戸 譲:ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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