よかれと思ってやっている「部下の育て方」の盲点 「面倒を見すぎて独り立ちできない」問題を解決
東洋経済オンライン / 2024年9月13日 15時30分
ならばいっそのこと「失敗させればいい」。手取り足取り教えるよりも、自分でやらせてみて失敗から学ぶほうが、結果として早く成長します。
つまり「わざと恥をかかせる」。
こう接することで部下は勝手に育ちます。何より、部下が自立できれば、マネジメントする立場であるあなた自身が、タスクの洪水に巻き込まれず、あなたにしか成果を出せない仕事に全集中することができます。
ぜひ、「教える」を捨ててみてください。社内全体でもその文化が浸透すれば、より生産性の高い企業に変貌を遂げることができますから。ただし、「口を出さない」という行為を徹底するためには、上の人間の胆力が必須条件になるでしょうが。
「仕事を任せる」4つのコツ
それではマイクロマネジメントをやめるために、部下とどのように接すればいいでしょうか。コツは次の4点を押さえることです。
①考えさせるための質問をする
たとえば、部下が「こうしようと思います」と言ってきたとき、あなた自身で「それで本当に大丈夫だろうか……」「もっとこうするべきなのではないだろうか」と、口を出したい衝動に駆られることはありませんか。
部下の思考が足りていないと心配になる気持ちはわかります。そうならば、まずは部下自身に思考を深めさせるよう促しましょう。
間違えても「答え」を教えてはいけません。
「どうしたらいいですか?」と聞かれて「こうしたらいい」という姿勢を示すのはもってのほかです。
「なぜそう思う?」と必ずWhyで問い返すようにしてください。
そして「なぜ?」をくり返したあとには、すかさず、部下の回答に対して「仮にこうなったらどう対応する?」「どんなメリットがある?」「どんなデメリットがある?」と3点セットでこれらの質問を順番に投げかけるようにしてみてください。
また、その対話の途中で、部下が質問を仕掛けてきても、決してその質問に乗らないようにもしてください。小利口な部下は質問返しでその場をしのごうとしてきますから。
とにかく、部下に自ら考えさせる機会を与え、自力で答えを導き出すよう促すのです。
ポイントは「うーん、わかった」
②否定も肯定もしない
また、部下の案に対して、いちいちフィードバックするのもやめましょう。手放しに肯定すると、部下は安心して考えることをやめてしまうかもしれません。逆に頭ごなしに否定すると、部下が萎縮するかもしれません。
ポイントは「うーん、わかった」。
たとえ部下の回答がいい線をいっていたとしても、その程度の反応に留め、部下がさらに深く考える「引っかかり」を残すことに専念してください。上司の役割は、部下のご機嫌取りではありません。自主性のある人材に育てることです。
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