「米国株は大幅に下落、日本株も追随」となるのか 弱い製造業指標や求人件数急低下で高まる懸念
東洋経済オンライン / 2024年9月13日 11時0分
8月5日の歴史的な暴落後、日経平均株価は回復基調をたどり、同月末には7月19日以来の4万円台もうっすらと視界に入った。
しかしながら、9月3日に発表されたアメリカのISM製造業景況指数、翌4日の同JOLTS統計(Job Openings and Labor Turnover Survey、雇用動態調査)がいずれも弱い結果となったことから、金融市場では同国の景気後退懸念がぶり返し、日経平均株価の回復基調は一服、4万円回復もいったん視界から消えた。
今回はアメリカ経済の現状を整理したうえで、FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策を占い、日米株価の行方を展望していく。
アメリカの景気減速を意識せざるをえない重要指標とは
まず、9月5日時点におけるFRBの金融政策見通しを確認すると、現在5.25~5.50%とされているFF(フェデラル・ファンド)金利は、年内1%超の利下げが織り込まれており、2026年央までに3%を割るとの予想になっている。
筆者は、こうした景気後退を前提にしたかのような激しい利下げ予想に違和感を禁じえないが、金融市場でFRBの果敢な利下げが織り込まれているのは事実である。ではなぜ、そのような景気に対する悲観的な見方が支配的になったのだろうか。
その要因として大きいのは、8月初旬に同国の景気後退懸念を喚起したISM製造業景況指数だろう。9月3日に発表された8月の数値も47.2と、衝撃的な弱さだった7月の46.8から緩慢な改善にとどまり、市場予想の47.5にも届かなかった。
同指数を構成する重要な5つの項目に目を向けると、生産(45.9→44.8)と新規受注(47.4→44.6)が共に低下、雇用(43.4→46.0)は改善したものの、サプライヤー納期(52.6→50.5)は短縮化し、在庫(44.5→50.3)は積み上がった。50を下回る生産と新規受注、50を上回る在庫という組み合わせは需要の弱さを浮き彫りにしており、景気減速を意識せざるをえない数値だ。
それに加えて、向こう3カ月程度の先行きを読むうえで有用な新規受注・在庫バランスが38.7へと急落し、20カ月ぶりの低水準に落ち込んだことも重要。筆者は7月の46.8という数値は何らかの特殊要因で弱さが誇張されていたと判断していたが、新規受注・在庫バランスの悪化を伴い、2カ月連続で弱さが示されたことに鑑みれば、一過性のものではなかったと読み替えるのが妥当に思える。
この記事に関連するニュース
-
米国の景気が良過ぎて株価急落の理由とは?今週も米物価指標やトランプ関税発言が相場を揺るがす!?
トウシル / 2025年1月14日 13時15分
-
【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…1月第2週の「米国経済」の動き
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月12日 20時15分
-
NY市場サマリー(3日) 株価反発、ドル下落 利回り上昇
ロイター / 2025年1月4日 7時24分
-
財新・中国製造業PMI、12月は50.5に低下 市場予想下回る
ロイター / 2025年1月2日 12時6分
-
相場展望12月19日号 米国株: NYダウ、金利引下げ回数減とインフレ再加速懸念で、大幅安 日本株: 朝高・終値安の「陰線」が続く、年末のお化粧買いに期待
財経新聞 / 2024年12月19日 13時16分
ランキング
-
1裏切られた気持ちでいっぱいです…月収25万円・65歳サラリーマン、毎年「ねんきん定期便」を必ずチェック、年金月19万円のはずが「初めての年金振込日」に知った衝撃事実に撃沈
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 8時15分
-
2「馬上、枕上、厠上」がキャリア形成にも重要な理由 「1人になれる時間」は本来いくらでも存在する
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時0分
-
3なんでまだ働いているんだろう?…ブラック企業を「辞めない人」の理由【行動経済学】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 7時15分
-
4【株価はどう動く?】「トランプバブル相場」の米国、株価の上値が重い日本
財界オンライン / 2025年1月15日 7時0分
-
5新日本海フェリー「新造船」を2025年就航へ “日本最速”の現行船を置き換え
乗りものニュース / 2025年1月15日 7時12分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください