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「いきなり!ステーキ」息子社長が語る再建の苦闘 名物社長から引き継ぎ、人気店は復活できる?

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 9時30分

上期は赤字になる計画を組んでいたが、計画よりも順調に推移しており、かなりポジティブに捉えている。

4月に価格改定を実施した影響があり、現状は客数にマイナスの影響が出てしまっている。その影響が今後どうなるか見守る必要がある。ただ、粗利益の確保はしっかりとできている。通期では黒字化できる見通しだ。

父、邦夫前社長との関係は・・・

――現在、邦夫前社長との関係はいかがですか?

家族としてのコミュニケーションは取っている。お盆の時期に線香を上げに実家に帰った。父が両国でやっている「和牛ステーキ和邦(わくに)」の休憩時間に家に帰ってきて、テレビを見ながら「次はいつお墓参りに行こうか」といった話はしている。普通の親子の関係だ。

ペッパーフードサービスについては、退任したので口を出さないようにしているが、リリースなどは見ているようだ。ただ、リリースで知ると「なんで教えてくれなかったの」とさみしそうにするので、言える範囲で会話するようにしている。

――いきなり!ステーキは、以前のスタイルから転換を進めています。

従来、ターゲットとしていたのは40~50代の1~2人で来店する層。立ち食いで回転率をできるだけ高め、利益を出すスタイルだった。

ただ出店から10年が経ち、リピーターの年齢も上がり、客層の拡大は課題だ。牛肉価格も上がり、集客は難しくなっている。それでも、ステーキを食べたいという需要はなくなっていない。リーズナブルで高品質なステーキを提供する方針は変わらないが、スタイルは変わっている。

具体的には、家族客を呼び込めるようにしている。会員ごと、グラム単位でポイントを付与していた「肉マイレージ」は、金額でポイントを付与するように変更した。家族でまとめて会計してもポイントが付与されるので、リピートしてもらえることを狙っている。

また、回転率を重視するのではなく、食事の時間を楽しんでもらえるレストランに近づいている。例えば、ステーキを焼く鉄板を店舗の中心に配置してステージのようにすることを考えている。食事だけでなく、料理の過程も楽しんでもらいたい。

――それでは他チェーンとの差別化が難しくなる面もあるのでは?

牛肉価格が高騰する中で価格帯が変わり、客層も少し変わっている部分はある。しかし、以前の「回転率が高い」イメージは依然として強い。競合他社が多くいるようなカテゴリーに入ったとは思わない。

「リーズナブルで高品質なステーキ」を出す独自性は変わらない。商品の調達などで自社の強みをしっかりと打ち出していきたい。

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