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「中秋の名月」今年は"土星"も見える!?鑑賞のコツ 江戸時代からの風習で「極上のお月見体験」

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 9時0分

月の重力は地球に影響を及ぼしています。わかりやすい例が、「潮の満ち引き」です。海面は、月の重力に影響を受けて高くなったり低くなったりしています。

また、地球内部の岩石に影響を与えることで「地震」と関連しているという話もありますが、因果関係はいまだ研究中です。

太陽・地球・月の位置関係からわかること

月が地球を回る様子に「太陽」を加えて、太陽、地球、月の位置関係を見てみましょう。

この位置関係から次のことがわかります。

太陽、地球、月の位置関係からわかること
・月は満ち欠けをする
・「月の出」は毎日遅れる(月待ちを楽しめる)

月は満ち欠けをする

月はみずから輝かず、太陽の光を反射して輝きます。太陽の光が月に当たる部分は、地上から見ると日々変化し、日によって、月は満ちたり、欠けたりします。

太陽の光が月の裏側全体に当たっているときは「新月」となります。逆に、月の表側全体に当たるときが「満月」です。

満月のとき、太陽と月は地球を挟んで反対側にあります。図のAを見るとわかるように、太陽が西の地平線に沈んでいくとき、満月が東の地平線から昇ってきます。

「菜の花や 月は東に 日は西に」この与謝蕪村の俳句をご存じでしょうか。

これは、満月の日に詠まれた句であるということがわかります。茜色の空に、黄色い菜の花と満月――宇宙と大地を感じる壮麗な句ですね。宇宙の知識が増えると、俳句の解釈が深まることもあるのです。

「月の出」は毎日遅れる(月待ちを楽しめる)

日によって変わるのは、月の満ち欠けだけではありません。じつは月が昇る時刻も変わります。「日の出」の月バージョンで、地平線から月が昇ることを「月の出」といいます。

日々変化する月の出を愛でる「月待ち」

前ページの図で、満月の「月の出」を見た次の日のことを考えてみましょう。

満月から24時間経つと、月は公転によってちょっとだけ反時計回りに動きます。見た目は満月から少しだけ欠けて「十六夜(いざよい)」になっています。このとき、十六夜はまだ地平線の下にいて、十六夜が地平線から昇るには、地球は50分ほど自転する必要があります。

満月の日に限らず、毎日同じことが起きます。つまり、「月の出」は毎日少しずつ遅れるということです。

江戸時代には、日々変化する月の出を愛でる「月待ち」という風習がありました。

十六夜の「いざよう」とは「躊躇する」という意味です。名付けた人は、満月から少し欠けた月が約50分遅く昇る様子を見て、月が不完全な姿を見せるのをためらっていると思ったのでしょうね。

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