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「中秋の名月」今年は"土星"も見える!?鑑賞のコツ 江戸時代からの風習で「極上のお月見体験」

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 9時0分

その翌日の月を「立待月(たちまちづき)」といいます。十六夜から約50分遅れて昇るのを立ちながら待つことから来ています。

その翌日の月は「居待月(いまちづき)」。さらに約50分遅れてくるから、もう立っていられず、居座って待つということです。

となると、その翌日の月は何と呼ばれると思いますか?

立って、座って……その次は……寝ながら待つ「寝待月(ねまちづき)」です!

月の名前から、昔の人々が月を楽しむ姿が想像できますよね。このように、身の回りに起きるちょっとした変化に気づいて、それを楽しむのは素敵なことだと思いませんか。

月の出には日の出とは違った趣があるので、ぜひ一度「月待ち」を試してみることをオススメします。

皆さんは「中秋の名月」という言葉を聞いたことがあると思います。

「中秋の名月」とは、旧暦(太陰太陽暦)の8月15日の夜に見える月のこと。美しい月として、古くから親しまれてきました。

2024年「中秋の名月」は特別、その訳は?

ここで暦(カレンダー)について、簡単に説明しておきましょう。

現在は、太陽の動きをもとにつくられた暦(太陽暦)を使っています。この暦は明治6年に採用されました。それまでは、月(太陰)と太陽の動きをもとにした太陰太陽暦、いわゆる旧暦が使われていました。

旧暦では、月が「新月になる日」を月の始まりとして、その月の「1日」としています。月が立つ日なので、「つきたち」から発音が変化して「ついたち」と呼ばれるようになったと言われています。

旧暦における「秋」は7月から9月まで。旧暦の8月15日は、秋の真ん中にあたることから「中秋」と呼ばれています。

じつは、中秋の名月は「満月」とは限りません。実際、今年の中秋の名月は9月17日ですが、満月はその翌日の9月18日です。

月は、新月から平均約14.8日後に満月になります(実際は13.9~15.6日)。旧暦の1日は新月になる日なので、旧暦の15日は月が14日目を迎える日です。満月になる瞬間は、その日のうちに訪れることもあれば、翌日になることもあるのです。ちょっと、ややこしいですね。

太陽系の天体がぐるぐると回り、人が定めた暦とのめぐり合わせから、中秋の名月を楽しむことができるわけですが、今年は特別です。

前回の記事でもお伝えしましたが、月のすぐ近く(右上)に土星が見えます。先ほどお話ししたように、月の出の時刻は毎日変わる、つまり、夜空に浮かぶ月の位置は日々変化するので、9月16日や18日は、月と土星はやや離れています。17日にちょうどぴったり寄り添うように見えるのです。

月を愛でるよりも、お月見団子を食べるのが好きなかたも、この日ばかりは、しっかりと夜空を見上げてみてくださいね。

今年のお月見は、天体望遠鏡で覗いてみたり、江戸時代の人々のように月待ちをしてみたりしながら、いつもと違った楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか?

井筒 智彦:宇宙博士、東京大学 博士号(理学)

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