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2作品で100万円!「アート委嘱」の絶大なる潜在力 VCが毎年5人「アーティストの卵」を選び制作依頼

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 9時0分

「インスパイアの事業内容からイメージすること」がテーマの委嘱作品。第1期生5人のうち、「白 haku」さんの油絵を持つ高槻亮輔社長。右は山本恵理さんの油絵。宅配便で送られてきたばかりの作品の梱包を解いて撮影(記者撮影)

「毎年5人のアーティストの卵に2つずつ作品を委嘱。5年で50作品を集めて、創立30周年を迎える2030年には作品展を開催する」

【写真で見る】1期生5人の作品群。彼らが今後出世すれば、作品の価値が高まる可能性も

そんなアートプロジェクトを始動させたベンチャーキャピタルがある。ユーグレナ、ABEJA、雨風太陽などへの出資で知られるインスパイアだ。第1期に当たる2024年に選ばれたアーティストの卵は、東京芸術大学と武蔵野美術大学の在学生、卒業生たちだ。

インスパイアの高槻亮輔社長は次のように、このプロジェクトの経緯を説明する。

「創業25周年を記念してインスパイアのウェブサイトを刷新しようと考えました。インスパイアの出資先の商品デザインなどクリエイティブディレクションをお願いしているエディングポストの加藤智啓さんに相談をして、浮上したのがこのアイデアです」

5年かけて計25人を選出する

プロジェクトの概要は以下のようなものだ。

・すでに世の中から評価されているアーティストではなく、これから世に出るアーティストの卵にお願いする

・5年かけて、毎年5人ずつ選出する。インスパイアの事業内容からイメージする作品を発注。その作品をウェブサイトに掲載する

・1人にお願いするのは2作品。1人当たり100万円を支払うが、1作品で100万円だと減価償却が必要な資産になるため、2作品をお願いする形に

・1作品は、インスパイアの事業内容から思い浮かぶものを自由に。もう1作品は、インスパイア社員のポートレート

・5年後の30周年では展覧会を行う。東京で行うかもしれないが、ひょっとしてインドネシアのジャカルタなど、インスパイアの事業展開と関連のある場所で行う可能性もある

高槻社長は言う。「ものづくりを行っている企業はプロダクトがあるので、そこで企業をイメージできる。それに対し、インスパイアのような金融に関連した事業は、どうしても直感的にイメージしにくいものがある。アートを通じて、自分たちの進めている事業を表現できれば素敵だな、と思っています」

5人が「インスパイアの事業内容からイメージして制作した作品」は同社のホームページに掲載されているのでご覧いただきたい。

忖度などないポートレート作品

ここでは、5人が制作したインスパイア社員のポートレート作品のうち、その一部を紹介しよう。

まず高槻社長のポートレート。作者は、東京芸術大学油画第1研究室在学中の原ナビィさんだ。ワイナリーでの記念写真、ダイビングスーツでの写真、サングラスを掛けてポーズを決めた写真などを材料として渡し、あとは自由に書いてもらったという。

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