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新幹線開業以外も激変「福井の鉄道」60年の記憶 SLから私鉄新型車まで、撮り続ける故郷の列車

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 7時0分

特急「しらさぎ」のフル編成 北陸本線敦賀―新疋田 1975年(撮影:南正時)

2024年3月、北陸新幹線の金沢―敦賀間が延伸開業しました。東洋経済オンラインで懐かしの列車を中心とした記事を連載する鉄道写真家・南正時さんは沿線の武生出身。鉄道写真家としてのスタートは60年前の1964年、開業直前に撮影した東海道新幹線の試運転列車でした。写真家人生60年の今年8月に刊行された『南正時 ふくいの鉄道写真』から写真の一部を抜粋して掲載するとともに、60年間の福井の鉄道について書き下ろしの記事で振り返ります。

ふるさとで迎えた新幹線

2024年、福井県の鉄道は大きな転換点を迎えた。3月16日、北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸開業し、北陸地方で唯一新幹線が乗り入れていなかった福井県にもついに新幹線が走るようになった。

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1946年に武生市(現在の越前市)に生まれた筆者が、意識して鉄道にカメラを向けたのは1964年、米原付近で偶然遭遇した開業直前の東海道新幹線の試運転列車だった。そして新幹線の開業60年でもあり、鉄道写真を撮り始めて60年となった今年2024年、今度はふるさとで新幹線の開業を迎えることとなった。

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今回は60年間記録し続けてきた「福井の鉄道」について、当時の取材の記憶などを交えて紹介したい。

鉄道の写真を本格的に撮影するようになったのは東海道新幹線の試運転を撮ったことがきっかけだったが、鉄道への関心自体は幼少期からあった。

最初の記憶は、福井鉄道の南越線(1981年全線廃止)、そして福武線だ。全国の鉄道が急速に近代化を遂げた昭和30年代は、北陸、そして福井の鉄道も大きく変貌しつつあった。1957年には北陸本線の木ノ本―敦賀間が新線に切り替わり、田村―敦賀間は日本で2番目の交流電化線区となった。1962年には北陸トンネルが開通した。

そんな中で今も強烈な印象があるのは、1960年に福武線に登場した200形電車だ。

憧れだった福井鉄道「200形」

200形はそれまでの福鉄の電車とはまったく異なるモダンな車体で、車内は北陸本線の急行電車のようにクロスシートが並んでいた。鉄道線では高速運転でき、路面区間にも乗り入れられる「名車」で、近代化する国鉄の北陸本線に負けないという福鉄の「起死回生」ともいうべき意気込みを感じた。

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