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子どもの部活やスポーツはどこまで頑張らせる? 「勝利至上主義」の世界で生きる子を支えるには

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 8時0分

と言いつつ、私自身も、バスケをする息子につい助言してしまうことがあります。自分の心身が健康であれば、ブレーキをかけて落ち着いて見られます。余裕がないときほど干渉してしまうのだと気付きました。保護者も指導者も、自分がキャパシティーオーバーになると、ストレスのはけ口として子どもに過剰な期待をかけてしまうことがあるようです。非常に大事なことなので、これは自戒を込めてお伝えします。

人と比べず、自分の目標に対する「負けず嫌い」に

──スポーツを通して子どもに「やり抜く力」や「負けず嫌いさ」「打たれ強さ」を身につけさせたい親もいると思います。

「やり抜く力」は、ぜひ複数の大人がサポートして、子どもと一緒に目標やプロセスを決めてあげてください。「負けず嫌いさ」は少し注意が必要で、子ども自身が決めたことに対して負けず嫌いであれば問題ないですが、他人と比較してどうかと考えるのが主になってしまうのは危ういと思います。

最後に「打たれ強さ」は、求めてしまうと弊害が出ます。「レジリエンス」という言葉がありますが、変形されたものが元の形に戻る復元力や弾力性という意味で、「回復」「抵抗」「再構成」の3つに分類されます。

レジリエンスにおいて、打たれ強さは「抵抗」です。どんなつらいことにも耐え続けなければいけならず、折れてしまったら捨てられるような世界を想像してしまいます。現在のスポーツ界では「抵抗」が求められがちですが、私は「再構成」が大切だと感じます。木に例えると、たとえ折れたとしても、それを糧にして新たな形でさらに大きくなり、花を咲かせることができたとしたら、それこそが強さではないでしょうか。

教育本には「ほめて伸ばしましょう」と書かれますが、やや違和感があります。「ほめる」より「認める」がしっくりくると思うのです。「ほめる」は、親が設定した暗黙の目標に到達すれば合格というイメージ。一方で「認める」には、子ども自身が考えてやり切るイメージがあり、子どもの主体性を感じます。お子さんのことを認めながら、背中を押してほしいです。

実は子どもは、見えないところでちゃんと動いている

──親からの相談には、どのようなものがありますか。

こんな相談を受けたことがあります。

“言われたことは嫌がらずにやりますが、それ以上のことをやろうとしません。間違いを恐れずに自ら考えて(先を読んで)自ら動くようになってほしいのですが、家庭でどのように見守ればよいですか”

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