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子どもの部活やスポーツはどこまで頑張らせる? 「勝利至上主義」の世界で生きる子を支えるには

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 9時0分

──小塩さんは著書『10代を支えるスポーツメンタルケアのはじめ方』(大和書房)にて、「子どもを応援する大人自身がスポーツ界のプレッシャーから解放される必要がある」としています。

本では、私の研究や実践から得た知見をもとに、スポーツに励む子どもを支える親や、部活動の顧問やコーチなどの指導者が知るべきメンタルヘルスケアの知識、競争の激しいスポーツ界で活躍するアスリートが直面するメンタルヘルスの課題やケアを優しく解説しています。ストレス社会に生きる子どもから大人まで、メンタルヘルスケアの重要性は誰にとっても欠かせないものなのです。

そこで大人の方々に伝えたいのは、「皆さんはすでに頑張っている」ということです。声を大にして、「自分に優しくしてあげて」と言いたい。大人自身に心と時間の余裕があると、子どものメンタルヘルス改善にもつながります。

大人向けの講演ではよく、「『何をするか?』ではなく『何をしないか?』のサポートをしましょう」と話します。心のキャパシティーをコップの水に例えると、メンタルヘルス不調の子どものコップはすでに満杯です。良かれと思って「これをしたら?」と助言や指導すると、その水は溢れてしまうでしょう。そんな時、逆に大人のコップに余裕があれば、子どもの水を引き取ることができます。

そこで、ただ子どもの話を聴くことに注力してほしいのです。聴いてもらうということは「自分に価値がある」と感じられる体験ですし、自分を客観的に見て心の状態を棚卸しする機会にもなります。

あえて「何もしない」のは想像以上に難しく、きちんと話を聴くには体力も必要です。子どもは、大人が話を聴いていないことに一瞬で気付いてしまいます。しかし逆に、真剣に真っ直ぐ話を聴いてくれる大人がいると、それだけで救われるのです。大人が話を聴くスキルを磨き、うまく言語化できない子どもの感情に輪郭をつけてあげられる時間が増えれば、これ以上に嬉しいことはありません。

せきねみき:ライター・コラムニスト・編集者

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