ハマってからではもう遅い「相続の落とし穴」4つ 「心情的な原因」でこじれてしまうことも多い
東洋経済オンライン / 2024年9月14日 7時0分
生命保険金は、被相続人が特定の人を受取人として指定していた場合、指定された人が固有の権利として請求権を取得するので、遺産分割の対象になりません。そして、現状、ほとんどの保険会社では約款で受取人が記載されていない場合でも受取人をどうするか決めてあるので、生命保険金が遺産になることはほとんどありません。
また、生命保険金は被相続人から相続人への贈与ではないので、特別受益にも当たらないのが原則です。
しかし、生命保険金と遺産の比率があまりに偏っている(生命保険金のほうが預貯金よりも多いなど)場合、生命保険金を無視するのは明らかに不公平になります。そのため、生命保険金の遺産に対する比率が不自然に高い(遺産総額の50%以上)場合は、例外的に生命保険金が特別受益になり、相続財産の持戻しの対象となることがあります。
この例では長男の受け取る生命保険金の額は遺産と比べて明らかに多すぎるため、長男が受け取った生命保険金は特別受益とされてしまい、遺産からは1円も受け取れないという結果になる可能性があります。
古山 隼也:弁護士
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