すかいらーく「資さんうどん」買収がおいしい訳 双方にとってのメリットを検証してみた
東洋経済オンライン / 2024年9月14日 10時0分
ファミレス大手すかいらーくホールディングスが、「資さんうどん(すけさんうどん)」を展開する資さんを子会社化すると発表し、話題となっている。
【写真】資さんうどんで一番人気の「肉ごぼううどん」はスティック状のごぼうが目立つ。唐揚げが乗ったうどんや、丼もの、カレーライスなどメニューの幅が広い
資さんうどんは、創業の地の北九州では、知らない人のいないブランド。1976年に福岡県北九州市戸畑に1号店をオープン後、1980年には法人化し、福岡県を中心に店舗展開を行ってきました。近年は関西圏で積極的な展開をしており、2024年冬には墨田区・両国に東京1号店のオープンも控えている。
さらなる店舗拡大を目指していた矢先での買収劇だが、筆者は双方にとって大きなメリットがあると考えている。その理由を3つに分けて解説していこう。
うどんといえば「讃岐うどん」という現状
目下、うどん業界はトリドールHDの「丸亀製麺」と、吉野家HDの「はなまるうどん」の2強だと言われている。
丸亀製麺は、売り上げ・店舗数ともに業界1位で、国内店舗数は850を超えている。一方のはなまるうどんは418店舗を展開。ここ3年は業績が低迷していたが、不採算店舗の閉店と、既存店の収益向上を行い、V字回復を実現している。
うどん業界の”2大巨頭”に共通しているのが、「讃岐うどん」を掲げ、コシのあるうどんを提供している点だ。両店の勢いが象徴しているように、日本ではうどんといえば讃岐うどんという印象が強く、うどんにはコシがあって当たり前だと考える人も少なくない。
【写真】北九州を展開している資産うどん。一番人気は「肉ごぼううどん」だが、丼ものやカレーライス、スイーツなどメニューの幅が広い
それを決定付けたのが2000年前後に起きた、空前の讃岐うどんブーム。1988年の瀬戸大橋開通がきっかけといわれる第2次讃岐うどんブーム以降、多くのメディアで讃岐うどんが取り扱われ、1990年半ばには第3次ブームが起きる。
現地の製麺所を巡る人も急増するとともに、讃岐うどんの店舗が東京へ続々と進出。2000年には、丸亀製麺とはなまるうどんが登場し、讃岐うどんの地位向上に一役買っている。
資さんうどんはブルーオーシャン狙える?
一方、福岡のうどんの特徴はその柔らかさにある。資さんうどんの場合は、讃岐うどんと福岡うどんのちょうど中間のような硬さのため、例えば高齢者などコシのあるうどんが苦手な人にも受け入れられる余地がある。すなわち、ブルーオーシャンといっても過言ではない。
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