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通行無料も「トイレは有料」それどこの高速道路? ドイツ・オーストリア驚きの高速道路最前線

東洋経済オンライン / 2024年9月16日 11時0分

あまりに速度が高いと、事故が起きたときの人体や道路への影響が大きいことに加え、燃費が著しく悪化してCO2排出量が増えるためである。

ドイツとオーストリアの道路標識で、共通していることがひとつある。それは、次のインターチェンジ(IC)で降りるとどんな観光施設や遺跡があるかを示す、イラスト入りの大きめの標識だ。しかも、色は白と薄茶色の2色のみで、施設・遺跡名だけがシンプルに書かれている。

とても地味で宣伝文句はいっさいないが、逆にそれが「どんな施設だろう?」と興味を掻き立ててくれる。ドイツもオーストリアも同じドイツ語文化圏ではあるが、標識の体裁までが統一されているのは意外な気がした。

普通の標識、例えばIC出口の行き先表示などは、両国で標記方法が多少違うだけに、観光情報の標識が統一されていることが、なおさら不思議であった。さらに、都市の中心部全体が世界遺産になっているような場合は、都市名と世界遺産であることだけが表示されているのも興味深い。

世界遺産「ハルシュタット」への道でトラブル

今回は、夏の観光シーズンにもかかわらず、ウィーン市内の高速道路を除けば渋滞にはほとんど遭遇しなかったが、一度だけまったくクルマが動かなくなる、ひどい渋滞に巻き込まれた。

そこで驚いたのは、地元のドライバーたちの行動である。交通情報などで情報を得て動く見込みがないことを知っているのか、クルマを降りてサンドウィッチを頬張るなど、思い思いに過ごし始めたのだ。そんな様子を見たら、こちらは逆に焦ってしまう。

「いつまで足止めされるのか……」と思って、スマホのグーグルマップを見ると、少し先のトンネル内で事故が起きたことを示している。「これはしばらく通行できないだろうな」と、半ばこの日の予定遂行を諦めかけたころ、クルマは動き出した。

ようやく通過できると安心したのだが、車列はトンネルの手前で細い1車線の坂道を上がっていく。トンネルを避ける迂回路があるのかと思ったが、前のクルマについていくと、出てきたのは反対車線のまったく同じところ。トンネル内は通れないから「来た道へ戻りなさい」ということだった。

いつまでも待たされるよりも合理的ではあるが、これにより50kmほど遠回りすることになり、渋滞で立ち往生していた時間も含めて、約2時間のロスだ。

しかし、周囲のクルマを見ても怒りをあらわにしている人はおらず、きわめて静かに迂回を受け入れていた。「大人の国」だからなのか、めずらしくないことだからなのか、少し不思議に思いながら世界遺産のハルシュタットへの道を急いだ。

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