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「健康書2000冊」が導き出した"健康長寿"の結論 医学研究の最前線に躍り出た「注目の臓器」とは

東洋経済オンライン / 2024年9月17日 16時0分

しかし、研究が進むにつれて、この考え方は変化しつつあります。

たしかに、基本的には善玉菌は有益で、悪玉菌は有害と言えます。ただし、善玉菌とされていた菌の中にも、状況によっては人体に悪影響を及ぼすものがあることや、悪玉菌や日和見菌とされていた菌の中にも、人体に有益な働きをするものが存在することも明らかになっています。

また、ある種の悪玉菌は、善玉菌が人体に有益な働きをする上で、必要不可欠な存在であることがわかってきました。

このような新しい知見から、もともと学術用語ではない「善玉菌」や「悪玉菌」という表現を使わない専門家も増えています(本稿ではわかりやすさを優先してこれらの言葉を使用します)。

さらに、理想的な腸内フローラのバランスは、人によって大きく異なることもわかっています。加えて、悪玉菌や日和見菌も含めた腸内環境の多様性こそが、健康維持に重要だという考えが今の主流です。

善玉菌を増やし、悪玉菌を減らせばよい、という単純な話ではなくなっているんですね。

ただし、理想的な腸内フローラのバランスは個人差があるとはいえ、健康長寿の人に共通する特徴があります。それは、ビフィズス菌や酪酸菌など、特定の善玉菌が多いことです。

つまり、これらの健康にいい善玉菌を増やすことが私たちの使命であり、善玉菌を増やすことこそが腸によい食事の正体なのです。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

ちなみに、健康にいい働きをしてくれる善玉菌は、年齢を重ねるごとに減ってしまう傾向にあります。ですから放っておけば、善玉菌は減り続け、腸内は悪玉菌ばかりになって、大切な腸内細菌の多様性は失われてしまうのです。

悪玉菌が増え、腸内環境が悪化すると、肌荒れや病気のリスクが高まったり、老化が加速したりする可能性も出てきます。だから、毎日の食事で意識的に善玉菌を増やすことが、本当に大切なのです。

そして、善玉菌を増やすために大切なのは、ズバリ「食物繊維」です。健康で長生きするためにも、腸内環境を整え、善玉菌がイキイキと活躍できる環境を作っていきましょう。

目的は善玉菌に「短鎖脂肪酸」を作ってもらうこと

では、なぜ善玉菌は重要なのか。その正体に迫っていきましょう。

善玉菌は、まるで私たちの体の中で働く、小さな工場のようなものです。この工場では、私たちの健康に欠かせない特別な物質が生み出されています。

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