令和を生きる「40代の男性」求められる"強い覚悟" 「老境の一歩手前」と見なされた時代は終わった
東洋経済オンライン / 2024年9月18日 12時0分
一方、現代の「40代」という世代に共通するのは、あの就職氷河期を経て今に至るということです。2000年代初め、当時の政権が非正規雇用の規制を大幅に緩和したことで日本の雇用環境は激変し、全国の就活生たちが厳しい現実に直面することになりました。
就職氷河期の定義はいろいろありますが、一般的にはバブル崩壊後の雇用環境が厳しかった10数年間、すなわち平成5(1993)年頃から平成16(2004)年くらいに学校を卒業した人たちが「氷河期世代」と呼ばれ、2024年における年齢がおおむね40歳くらいから50代半ばの人たちを指すようです。
本稿を読んでいる40代は丸ごとすっぽりハマっていることになります。
思い描いたコースにうまく乗れないままキャリアの節目である40代を迎え、今後の50代、60代へ向けて戦いながら日々を過ごしている方も少なくないことでしょう。そう考えると、40代が「安定の世代」とばかりは必ずしも言えないかもしれません。
40代には自己を「アップデート」する機会がある
そういう40代が、これからの自分の心の軸をどこに置いていくべきなのか、社会人としてのスキルをどう向上させ、ひいては1人の人間としてどのように教養を高めていくのか。
実は40代とは、他の世代と比べてより高い緊張感と強い覚悟を持って生きていかねばならないのかもしれません。
54歳の磯野波平さんが定年まであと1年、といった時代とは違い、もはや定年は65歳から70歳へ延びようとしています。となれば、令和の40歳にはまだ25年以上、四半世紀を超える勤め人としての時間が残されていることになります。
とはいえ、年数だけこなせば給与が上がる時代は終わりつつありますし、もとより非正規雇用であれば年功賃金も無縁の世界です。
今の立ち位置に見切りをつけて転職を考え、新たなキャリアデザインを描いて自己をアップデートしようと模索している人もいることでしょう。その可能性がまだ十分に残されているのが40代ということでもあります。
齋藤 孝:明治大学教授
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「年金50万円の壁」見直しで高齢社員の立場が激変 役職定年制やシニア社員制度は廃止の方向へ?
東洋経済オンライン / 2024年12月19日 10時30分
-
「低年収だから年金額も低い」老後も続く格差の現実…既に50代に突入した氷河期世代を救う方法はあるのか
プレジデントオンライン / 2024年12月14日 7時15分
-
年収380万円「氷河期ど真ん中」46歳会社員、不遇を受け入れて暮らしていたが…75歳父の病で事態が一変、思わず恨み節「試練が多すぎます」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月13日 11時45分
-
30代で婚活するなら妥協が必要?「年収2千万」を条件にした35歳女性が見た現実は(前編)
OTONA SALONE / 2024年12月7日 20時0分
-
職場で優遇されるのは若者とシニアばかり…働く40~50代が日本経済の「最大の被害者」であるワケ
プレジデントオンライン / 2024年11月26日 16時15分
ランキング
-
1管理職にならない選択が「普通」に? 「責任の重圧」「年収減の可能性も」…“なりたくない”リアルな理由とは
まいどなニュース / 2024年12月21日 20時32分
-
2「フレッシュネス」チキンに"もも肉"使うプライド クリスマス時期の「チキン難民」を狙う戦略
東洋経済オンライン / 2024年12月22日 9時0分
-
3ゴーン被告「日産の内部はパニック状態」「ホンダはこの取引に押し込まれた」
読売新聞 / 2024年12月21日 18時30分
-
4103万円の壁問題とともに浮上した106万円の壁撤廃は別の経済苦を生むか パート主婦「手取りも減るってことですよね」コンビニオーナー「スポットで働く人を増やすか」
NEWSポストセブン / 2024年12月22日 7時15分
-
5「青春18きっぷ」利用者に朗報!“豊橋ダッシュ” 解消へ 東海道線の乗り換え利便性が向上
乗りものニュース / 2024年12月22日 7時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください