外国人材育成は日本人と変わらないというリアル 「この会社だから長く働きたい」に国籍は関係ない
東洋経済オンライン / 2024年9月18日 9時0分
例えばミャンマーでは、大卒と高卒以下の間、さらに同じ大卒でも工科大学卒と総合大学卒との間に顕著な身分差があります。高度人材のビザを持つミャンマー人と技能実習生のビザを持つミャンマー人の間には、一緒に食事をしないといった社会的距離を示すケースもしばしば見られるほどです。
高度人材が技能実習生を見下すような上から目線の態度をとることもあります。このような身分格差は、本来の目的である「管理」に必ずしも適していないことが少なくありません。
また、転職が自由な高度人材は優秀なほど引き手が多く、多くがお金を稼ぎに来日していることもあり、企業への思い入れが薄い場合、待遇を優先する傾向があり、とくに都会や大企業への志向が強まることが見られています。
叩き上げ人材を育てること
こうした点も考えると、技能実習生から叩き上げで育った人材は、転職が自由なビザを取得した後でも、自らの意思で企業を選ぶなど帰属意識が高いため、組織の中核を担う人材となりえます。
企業にとって、技能実習生から管理者までの道のりは遠く感じるかもしれません。しかし、これこそ一番の近道ではないかとも感じます。
ここまで外国人採用について書いてきましたが、日本人に選ばれ、定着する会社、そして日本人の管理者を育成には一定の時間とコストがかかるのは、実は外国人も日本人も同じことなのではないでしょうか。
西垣 充:ジェイサット(J-SAT)代表
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