ジャニの常識覆す「タイプロ」異例ヒットの背景 「ジャニーズなき世界」で前代未聞オーディションの全容
東洋経済オンライン / 2024年9月18日 10時0分
timelesz(タイムレス)の新メンバー募集オーディションの様子を追う『timelesz project-AUDITION』(通称タイプロ)が配信開始され、Netflixで1位(日本のテレビ番組ランキング部門)になるなど、話題となっている。
【写真】timelesz(旧SexyZone) 前代未聞のオーディションの様子
今年の4月にSexy Zoneから改名したtimeleszのメンバー3人(佐藤勝利・菊池風磨・松島聡)が、候補生と対峙し新メンバーを自ら選んでいく番組だが、これが画期的な企画である。
ただ、オーディションの発表時点では、その前代未聞の試みに「ジャニーズ事務所の伝統を壊すもの」などとファンから多くの批判の声が飛んだ。
しかし蓋を開けてみると、筆者には、革新的ではあるものの、むしろ、ジャニーズ事務所の魂を大事に受け継いでいこうとするもののようにも思えた。特にその選考基準は、旧事務所が人を選ぶときの基準に、かなり似通ったものがある。
この企画の革新的な部分と、伝統を受け継ぐ部分は何なのか。そしてこの企画が浮かび上がらせる、3人がジャニーズアイドルとして生きてきた覚悟の重さについて考える。
「異例ずくめのオーディション」の全容
まずは何が革新的なのかを見ていこう。
そもそも、これまでのジャニーズ事務所の歴史の中で、デビューしたグループがメンバー増員を行うこと自体が初めてである。
そして、旧事務所時代はもちろん、タレントの多くがSTARTO ENTERTAINMENTに移籍した現在も、ジュニアというレッスン生のような時代を経て、選ばれたものがCDデビューをするというのが通例だ。
今回のオーディションは、その過程を経ていない者がいきなりメンバーになる可能性も大いにある。さらに、その様子が番組として公開されるとなると、異例ずくめである。
これまでも、ジャニーズJr.のオーディションの様子が放送されることはあった。実は筆者も、2004年にテレビ東京の『ya-ya-yah』という番組での公開オーディションを受験している。
もちろん番組内で選考の様子や結果は放送するものの、今回のようにドキュメンタリー番組としてじっくりと候補者の様子を追うようなものではなかった。
他にも岡田准一がデビューするきっかけとなった日本テレビ『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ジャニーズ予備校」のようなものはあったものの、あくまで番組内の企画といった印象で、今回のようにじっくりと時間をかけ、オリジナルのドキュメンタリー番組としてその選考の様子や基準を追うのは初めてのことである。それだけで十分に画期的だ。
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